トムトム

キングメーカー 大統領を作った男のトムトムのレビュー・感想・評価

3.5
地方議員にも落選続きだった金大中を大統領候補にまで押し上げた凄腕の選挙参謀 厳昌録をモデルにしたポリティカルサスペンスです。

不器用な理想主義者である金大中=ウンボムと勝つためには手段を選ばない厳昌録=チャンデという真逆の2人の愛憎相半ばのバディ関係にグッと来ました。

原作・史村翔 漫画・池上遼一の劇画の雰囲気があります。

もっとダークでエグめな展開を予想していましたが前半部は選挙エンタメとしてチャンデが繰り出す奇策の数々が炸裂する爽快感とカタルシスに満ちています。

与党候補者や朴正煕にトンチ的対抗策でいっぱい食わす展開が良かったですね。

ウンボムが共産主義者というレッテル貼りをされがちなので北朝鮮出身のチャンデが表舞台に出にくい中、とうとう決別し対決する展開が切ないです。

主人公の鏡像的なキャラで朴正煕に仕える韓国情報部のイ室長って「KCIA 南山の部長たち」で描かれたキム・ジェギュなんですかね。それだったらさらに切ないですね。

歴史的な事実なので仕方ないですがやはり後半は盛り下がっていく展開になります。

役者陣はみんな達者で素晴らしいです。
チャンデ役のイ・ソンギュンの声がめちゃめちゃイイ!

ある程度韓国の現代史や政治家について知っておいた方が楽しめると思います。

まあ映画ファンなら「KCIA 南山の部長達」や「タクシー運転手 約束は海を超えて」、「工作 黒金星と呼ばれた男」などを観ておけば大体韓国現代史に詳しくなってくると思います。

いやそれにしても韓国の現代史映画は面白いのが多いです。

時系列に並べてみるのもイイかもしれません。
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