1号

キングメーカー 大統領を作った男の1号のレビュー・感想・評価

3.9
良作でした。
金大中氏の政治家としての半生と共にあった人のドラマなわけだけど、時代とはいえ二人してドラマティックにもほどがあるほどドラマティック。史実ベースの政治ドラマの力の強さに驚くばかり。
それにしても韓国映画、クオリティ高いな。

他のユーザーの感想・評価

バニラ

バニラの感想・評価

2.8
チャンデは世の中を変えたい思いから新民党に所属するウンボムに肩入れする。
大統領選の裏側を描く実話を基にした物語。
モノクロの映像も挿入され、ドキュメンタリーぽさがあった。
理念の全てに同意する事はあり得ない、政治の世界では信じた相手の裏切りは付き物なのだろう。
選挙に勝つためと政治を正すためが異なるとは、勉強になったと言うべきか。
相手の良心に訴えるニワトリの話し、考え方の違いはわかるような気もした。
もっとエンタメ寄りなのかと思ってたから感動ほどは無くて、そんなもんかなと客観的に観れた。
ラストの会話も渋い、リアルだった。
ビョン・ソンヒョンが撮る男同士の絆は、身体接触を軸にセクシュアルな欲望が読み込める。『名もなき野良犬の輪舞』はそれはもうそうでしかなく非常に楽しませてもらったが、今作は前作のような「2人だけの世界」は離れて、ウンボムの妻(や国民)とのバイセクシュアリティ的関係性が濃く出ていていたように思う。
チャンデは自分とウンボムとは根底の「生き方」が決定的に異なる、という潜在的な失恋(失恋状態)に常に傷付きながら、幾度となく失恋(そうとしか言いようがない)をする。焦がれた相手に信じてもらえること/信じてもらえないことに一喜一憂するチャンデは健気で、観ているこっちの胸が痛い。
ソル・ギョングのあの選挙ポスター私もほしいんですけど!と思ったけど、チャンデはたぶん事務所からポスターくすねて来て妻子もいる我が家に堂々と貼るまでいってると思う(実際チャンデのデスクの上に飾られてた小さい写真立ての艶っぽさよ!)。
1回目観た去年は冒頭のちょい役とソル・ギョングとイ・ソンギュンとの見分けもつかん新参者やったけどキネ旬のムックや数々の面白映画のおかげで再びこの映画に出会うことができ嬉しく思う。ここで描かれない空白の部分には他の韓国映画で主題になるような、朴正煕暗殺やら民主化運動などなどなどがあって、この前観た金大中の大統領選がキーとなる『工作』含めて色んな角度から同じ史実を見れるのは映画体験として厚みがあって楽しい。

22.9.1 1回目
23.3.3 2回目
たく

たくの感想・評価

3.5
韓国らしい政治映画。
金大中を基にした実話で、最後は何とも言えない哀愁があった。

正直、途中難しくて、話に食らいついていくのに必死だった。
最後、イ・ソンギュンとソル・ギョングが語るシーンがあるが、演技力でものすごく魅せる。
韓国の政治ものって、最後おっさん同士でめちゃくちゃカッコいいシーン作る印象が強い。この作品も然り。

コミカルなシーンもあり、映像も60年代のようなエフェクトがかかっており、なかなか工夫はしてあった。

このレビューはネタバレを含みます

これはラブストーリーですか?
恋愛映画に観えました


実話を元にしているらしいがお恥ずかしながら全く知りません

似たような髪型に顔にスーツ
誰が誰だかイ・ソンギュンさん以外時々分からなくなり頭がフル回転でした

お恥ずかしい

そもそもがイ・ソンギュンさんの声が聞きたくて片っ端から見てるという不純です
韓国の政治サスペンスものは今までいくつか見てきたけど、一番良かった。

まず、役者が脇まで全員オールスター。いつも見る人たちが、一斉集合。すごい。ソル・ギョングとイ・ソンギュン、めちゃくちゃいい…。ずっと見入ってしまう。

しかも、無駄が全然ない。余計なもの、過剰なものは一切ない。しかし、物足りないとはまったく思わない。ずっと面白い。シンプルに傑作を作ってしまう監督はすごい。キルボクスンがますます楽しみになった。
「名もなき野良犬の輪舞(ロンド)」のビョン・ソンヒョン監督作品。「殺人者の記憶法」のソル・ギョング、「パラサイト 半地下の家族」のイ・ソンギュン主演映画。「アジョシ」のキム・ソンオも出てます*\(^o^)/* それにしてもイ・ソンギュンはいい声してる❗️
韓国大統領選挙の裏側を描いたポリティカルサスペンス。

1961年。韓国東北部の江原道で小さな薬局を営むソ・チャンデは、世の中を変えたいという思いから野党の新民党に所属するキム・ウンボムに肩入れし、ウンボムの選挙事務所を訪ねて、選挙に勝つための戦略を提案する。その結果、ウンボムは補欠選挙で初当選を果たし、63年の国会議員選挙では地元で対立候補を破り、新進気鋭の議員として注目を集めるようになる。その後もチャンデは影の参謀として活躍するが、勝利のためには手段を選ばないチャンデに、理想家肌のウンボムは次第に理念の違いを感じるようになり……。

第15代韓国大統領・金大中(キム・デジュン)と彼の選挙参謀だった厳昌録(オム・チャンノク)の実話をベースに、生き馬の目を抜く苛烈な大統領選の裏側を描いた。
なんだ終始せこいやり方で選挙に勝つだけじゃないかと思っていたが、総裁選では巧みな駆け引きがあり見ごたえがあった。
最後のオチが正統派な感じでちょっと残念な感じ。
理想に燃える若き政治家とその選挙対策を担う汚れ役の陰の男の対比を描いたお話〜。自民党の総裁選とかも似た光景目にするよなぁと思わせるシーンがちらほら。こういう硬派な政治ドラマって日本だと少ないような気もするが何故かしら。
たけ

たけの感想・評価

3.3
封切られた時は時間が合わなくて見逃していた映画。キネカ大森 名画座二本立てで上映されたので鑑賞。
いやー面白かった。誘導させる手口が狡猾で、どこの政府でもやっていることだろうなって思いながら見てた。
データ分析とか投票率が上がればこうなるってデータがいろんなところで今の日本では見えるけれども、結果的にはそうならない。データを見ている人と投票をする人が異なっているからだろうし、だからこそこの映画のような戦略を考え柔軟に対応する人が要るのだろうなぁ。
いかがな行動かと思う所もあるけど綺麗事だけではやってけない世界だろう。大義名分があるとないとでは全然見え方が違う。
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1号さんが書いた他の作品のレビュー

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4.0

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当時この映像表現は鮮烈だった。役者も闘うシーンも美しく記憶に残っている。
こんなに評価が低いのはなぜだろう、いま観るとそうなるのだろうか。