もやし畑

ソウルフル・ワールドのもやし畑のレビュー・感想・評価

ソウルフル・ワールド(2020年製作の映画)
4.5
生きる喜び。

ジャズピアニストになる夢を捨てきれないでいる中学教師ジョー・ガードナー。彼は念願のプロの舞台に立つ機会を得るが、マンホールに落ちて死んでしまう。
ジョーは死んでも死にきれないと足掻くことで、人が生まれる前の世界にたどり着くことに成功する。そこはキラメキを集めて人間界に降り立つための世界。そんな世界で人間界に行けずにいる魂、22番と出会う。どうしても生き返りたいジョーと、現実世界で生きることに興味ない22番の出会いが、互いを見つめ直す契機となる。

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今作は、夢とか生きるとか哲学、 教訓めいたことが大きなテーマだ。少し間違えれば、とても説教臭い話になってしまいそうだ。しかし、今作は全くそんなことがなかった。優しく、静かに、丁寧に生きることが描かれている。流石はピクサーである。

死後や生まれる前の世界の描写も面白い。そこを管理する超常的な存在は、もやは現代美術のようである。CGアニメの中でも見たことのない表現となっており、視覚的に楽しめた。

色付いた葉が落ちるのを静かに眺めるシーンがあるのだけど、たまらなく好きなシーンだった。

見方を変えれば人生の感じ方も変わってくるのかもしれないと感じさせてくれる素敵な作品だった。ぜひ見てほしい。
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