タケオ

前田建設ファンタジー営業部のタケオのレビュー・感想・評価

2.3
演劇と映画の違いをまるで理解していないオーバーな演技、使い回しのくどいBGM、正気を疑いたくなるようなSEと、まるで安っぽいバラエティ番組のようなクオリティには辟易とさせられた。そもそも物語自体が「ファンタジーの建造物を現実的に積算する」というものなのに、作品内リアリティがバラエティ然とした嘘臭いものでは全く意味がない。本作を「仕事に全力を尽くす社会人へエールを送る作品」たらしめるには、主人公たちの職場描写には細かなディティールや徹底したリアリティが必要不可欠であり、そうでなければ物語のカタルシスなど生まれようがない。いっそのこと『半沢直樹』(13年〜)や『下町ロケット』(15年〜)のようなタッチで描けば、本作のテーマは一層確かなものとなったはずだ。監督自身のテーマに対する'ビジョン'と'信頼'が弱すぎる。もっと真摯かつ誠実に制作すれば傑作にもなり得ただろうに、非常に残念な作品であった。
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