のほほんさん

魔界探偵ゴーゴリ 暗黒の騎士と生け贄の美女たちののほほんさんのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

19世紀のロシア。まだ迷信が流布するような村で起きた若い女性だけを狙った殺人事件ご発生。
感受性が強く、触れたものなどから無意識に思念を読み取ってしまうゴーゴリ青年(あのゴーゴリ)が敏腕刑事に連れられてその事件の謎に迫る

冒頭でいきなり馬の尻の大写し、その背には手足を縛られた全裸の女、というシーンで始まり、その異様な絵面で引き込まれる。
そしてタイトル通りの暗黒の騎士が出てくる。

内容は割とぐちゃぐちゃしていた(笑)
殺人事件の謎を追う怪奇ミステリーと思いながら観ると戸惑う。どちらかというと、それを軸にした文豪の若き日の苦悩潭。

何かに憑かれたように事件のキーワードを感じる特殊能力を発揮する以外にも、ゴーゴリ青年は寝たり殴られたり頭からぶつけたりと何度も気を失う。
その度に見るのが事件の謎解きに関係すれば良いのだけど、惚れた人妻への想いだったりプーシキンに詩を見せに行った時のこととか、割と私生活のお悩みに関する悪夢を見る。

そして、若くも美しくもない女が殺される事件も起こって捜査と同時進行したり、かと思えばその女が魔女(なのか?)で暗黒の騎士の手先みたいに出てきたり。

とりあえず色んな謎が撒き散らされる。
30年前に起きた同様の事件の被害者らしい女の霊は何がしたいのか、片腕を失った怪力の女もまた騎士の手先らしいけど、そもそもあの人なんなのか、とか美しい人妻・リザはなんの病気で、なんで妙にゴーゴリの前に現れてくるのか、とか。若くも美しくもない女(二度も言うな)の人が殺されたのはまあともかく、なんで彼女は騎士の手先になるのかとか。

第1章がやたらと長くて、第2章が始まる頃にはだいぶ時間が使われてた。これどういう風にケリをつけるの?と思っていたら「続く」と出た。続編はちゃんと劇場公開されるのでしょうか?(笑)

やたらと色白で不健康そうなゴーゴリ(カタツムリが苦手)はそんなこんなでずっとフラフラ。かれが子供の頃から面倒を見てきた家政夫さんや、絵の描ける鍛冶屋さん、大酒飲みの医師など、イカすキャラもチラホラいる。
あと個人的には、衛生環境は今とは比べものにならないくらい悪かったであろう当時の汚い感じが画面から出ていて良かった。

続編に期待です