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ヒゲとレインコートのarchのレビュー・感想・評価

ヒゲとレインコート(2018年製作の映画)
3.9
フェチズムをテーマにした短編、ヒゲに魅入られてしまった女子高生とレインコートに興奮する男の邂逅を描いている。

作中にも語られるようにフェチズムは性的倒錯や個人への執着が変容したものだったり、ただの変態性癖と割り切るにはあまりにケースバイケースな気もする。
この映画の場合、男への執着ではないにせよ、ヒゲなら誰でもいいのか、その男のヒゲ出なければいけないのか等、それだけでかなり変わってくる。それは常に曖昧で本人でも分からない部分が大半を占めており、難しくも妖しくもある部分といえる。
そういったフェチズムを題材にし、"普通"から逸れてしまった少女の不可逆な覚醒を想起させて締めくくられる物語。「SWALLOW」のような抑圧の反射ではなく、フェチズムという快楽的な部分であるのが非常に面白い部分だと思う。
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