人間狩りが始まる(8/7改:アリの一穴を開ける信念)
8/7改 ※ネタバレ満載なので自己責任で読んでください
下記の通り最初はアクションのように楽しんだが、後味を反芻するうちに、ブレない信念がアリの一穴を開けたのだと分かった
地元住民はみんな諦めている
警官は信用できないし、街はギャングに支配され、過去の台風被害で産業は壊滅し貧しい、這い上がるチャンスはギャングになるくらい
警官もみんな諦めている
麻薬の売人とつるんで汚職に手を染めて大儲けし良い車を乗り回す麻薬課の刑事だけでなく、
地元のスーパーでコーヒー代をケチりタダ飲みする小悪党な警官もいる
そして、出てくる警官全員が地元民に高圧的で、無抵抗な住民にも銃を突きつける
みんな、アイツはすごい悪いことやって稼いでるんだから、オレもこれくらい良いだろうという、みんなやってるんだからオレも的な心理状態
あとで唯一の味方になるスーパーの店員も無精髭に疲れた精気の無い表情に、すべてを諦めて過ごしている様子がバリバリに感じる
そんな諦めの境地にいるニューオリンズのghettoを一人の女性警官が変える物語に熱くならざるを得ない
売人も警官も等しく人間であり、無条件に殺害は許されない
警官だからと見逃すわけにはいかないと言う
スーパーの店員が、それ墓標に掘ってやるよ、この緩急の効いたやりとりがユーモラスで良かった
この女性警官の信念はコーヒーを無銭飲食する小悪党だった相棒警官をも変えた
絶体絶命のピンチに、汚職麻薬刑事を銃撃して助けるのである
スーパーの店員は、警察署に侵入してまでボディカメラに写っている証拠をアップロードに成功
全てが明るみになったのである
8/6の初レビュー
ブラックandブルーというタイトルは昨今のBLACK LIVES MATTERという時事話題を想起させる
が、テーマ性の強い社会派ドラマというより、アクション映画のように画面で起きることをまんま楽しんだ方が良い映画だと思う
アメリカの警官は本当に一部の有色人種からは忌み嫌われていることがよくわかる
警官の高圧的な態度が問題の原因の一部であることは確実そうだ
主人公は警官のなのだが、汚職警官のギャング殺害現場を見てしまい、汚職警官にギャング殺しの濡れ衣を着せられたため、警官にも追われ、ギャングにも追われ、まさに人間狩りの様相である
ココがこの映画の面白さのミソだと感じた
さらに地元住民に助けを求めても、ギャングが支配する貧困の街は面倒を避けて助けてくれない
銃で撃たれて流血していても、あっちへ行ってくれ、面倒はゴメンだと言われる始末
主人公の警官も地元出身なんだが、もはや頼れる者はいないのか...
とハラハラドキドキ、最後はスカッと終わってくれる
以下蛇足
汚職警官と新人警官という組み合わせは、トレーニングデイを思い出した
デンゼルワシントンの汚職っぷりの方がヤバかったし、最後のロシアンマフィアに蜂の巣にされながらも、ナイフを突き出そうとするラストシーンは印象的だった
主人公がギャングに助けられるのも似ている
あと風呂場で一旦は殺されそうになるシーンも
この映画は上映館が少なめでマイナー感出てしまってもったいない
もっとプロモーションすれば大ヒット級の面白さなのに
KRSONEのsound of da police がエンディングクレジットで流れて、世代ど真ん中な私はノリノリだった♪
NWAのfuc● the police にしなかったことがセンス良し
まあ他映画と被るから当然か