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ANIMAのwisteriaのレビュー・感想・評価

ANIMA(2019年製作の映画)
4.3
先日アカデミー賞にも複数ノミネートされた期待の新作『リコリス・ピザ』の日本公開が待ち遠しいポール・トーマス・アンダーソン監督の予習復習として。

これはレディオヘッドのトム・ヨークのアルバム"Anima"(「生命」とか「魂」という意味)から数曲を抜粋し映像作品化したもの。Netflix独占配信。

15分の長めのMVというか短めの映画というべきか。皆が同じ制服を着たジョージ・オーウェル『1984』風のディストピア的世界観にコンテンポラリー・ダンスを組み合わせた演出。ストーリーとしてはトム・ヨーク自身が演じる男が、地下鉄の中で目の合った女性に忘れ物のバッグを届けるため追いかけていく一種のボーイ・ミーツ・ガールもの。といってもトムヨーク本人だからボーイって歳でもないですが。。

映像の陶酔度がとにかく凄い!
酔っ払った時に何度か見てるけど、レビュー書くために素面で見ても陶酔できる。撮影はウディ・アレンの『ミッドナイト・イン・パリ』とかウェス・アンダーソンの傑作短編『カステロ・カヴァルカンティ』のダリウス・コンジ。ハレーションも起こる人工的な光の下で不気味に伸びる影とか幻想的なスモーク、それにラストの斜めに差し込む夜明けの自然光とか陰影の付け方が実に美しい。今作では特に34度傾けた作ったという真っ白なプラットフォームのセットでの撮影が何とも奇怪な印象の映像を産み出している。

15分で味わえるあくまで合法の陶酔感なのでNetflixに入っているなら一度お試しあれ😆ちなみに『リコリス・ピザ』の音楽は同じくレディオヘッドのジョニー・グリーンウッドが担当しているとのこと。
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