初デートの帰りだった黒人カップルのクイーンとスリム。ウインカーの出し忘れでパトカーに止められ職務質問を受ける。警察官の乱暴な対応に怒ったクイーンがスマホで撮ろうとすると、クイーンが撃たれて負傷。そこから揉み合いになったスリムは警察官を誤って射殺してしまう。その場から逃げ出し、全国に指名手配されてしまう逃避行を描いたサスペンスドラマ。
まるで「テルマ&ルイーズ」のようなストーリー。日常から一瞬で非日常へと変貌してしまう誰がなってもおかしくない事態。それを実感する内容でした。
正当防衛とはいえ警察官を殺してしまい、動転して逃げ出してしまう2人。僅かなツテを頼りにギリギリの逃避行を繰り広げます。警察が目の前まで迫る緊張感あふれるシーンも。全体的には十分面白い。
ただ中盤が結構中だるみしたのは残念。テンポをもう少し上げれていたら、一層傑作の粋に登れたと思います。あとクイーンも弁護士という職業だった割には感情的になりすぎだった気がしました。
幸いなことに道中で出会う人はほぼ皆協力的。それもそのはず。事情が事情だったから。ごく一般人だった2人が突然降りかかった不幸で逃亡犯へと変わってしまい、それはやがて警官の暴力問題にも繋がっていく。事件の詳細を知った人々は2人のためにデモまで起こす。
そこまでの事態になってるとはよく分からず、逃亡を続ける2人の物語との交差もちょっとした面白味。出演者でもロックバンド、レッチリのフリーが出ていたのは後で知って驚きでした。最初全然分からず見返したほど。
ラストも正直大体想像がつきましたが、インパクトはかなりのもの。社会的なメッセージと映画としての面白さ。両方それなりに感じ取れた作品でした。
