charo

ベル・エポックでもう一度のcharoのレビュー・感想・評価

ベル・エポックでもう一度(2019年製作の映画)
-
リアルじゃないと知っていながらも、
このシステムにリアリズムを求めてしまう主人公は、
映画を作られた世界だと知っていながら鑑賞している
私たち観客と同じ感覚だと思った。
虚構の世界と現実を行き交うような。
(ソーシャルメディアとも似ている感覚がある)
ドキュメンタリーとフィクションの間のような世界。


舞台、小説、アニメの世界では表現できない
映画ならではの演出が多くて、
これぞ映像媒体である映画の本質!


嘘だと分かっていながらも、実際の自分の人生に
影響を与え、自身が変化していく不思議な出来事。


ノスタルジーを通して今を見直す。
現代を生きる人々のテーマでもありながら、
過去に縋る、昔をよく思う気持ちは
いつの時代も共通のテーマな気がする。


日本版タイトルにある“もう一度“ならぬ
2.3度繰り返される場面の対比も良かった。


そして何より製作側の視点、観客側の視点が
しっかり組み込まれている。そこが今作の見どころ。
今までだったらどちらかに焦点を当てて描くであろう部分に、
両方の心理描写が複雑に入り混ざり合っていて
そこを行ったり来たりするのも楽しかった。

数日たったら内容を忘れてしまうくらいの情報量。
(この先何が起こるんだろうっていうハラハラ)
なのにラストしっかりメッセージがまとまっている。
あたふたしつつも伝えたいことが全体を通している感じ。
この感覚フランス映画ならではだな〜って時々思う。


ミッドナイトインパリ、トゥルーマン・ショー、
最近見た、SNS少女たちの10日間の要素も感じた。
新しいものを一から作るというより、
元々あるものの視点を変えて、今までにないな〜
という見え方を生み出す方法に一本取られた!


ヒロインの女性にキュン。
映画の中での役を演じる役ってすごい…。


音楽、美術が最高でした。
このユーモアのある世界観の全てがすき。


フランス風カフェでの上映。人生初。
会場と作品が一体化していくような感覚もあって
とても楽しい体験型試写会だった。