ドーナッツ

ベル・エポックでもう一度のドーナッツのレビュー・感想・評価

ベル・エポックでもう一度(2019年製作の映画)
3.5
体験型のタイムトラベルにより妻との出会いを振り返る。この独特な設定と70年代の装飾や衣装など雰囲気が素敵で予告を観て気になっていた作品。
外から見ると明らかに偽物でちょっと拍子抜けしちゃったけど、中に入れば一転、一気に雰囲気に引き込まれる。インテリア、そこらじゅうで吸う煙草による煙たい感じ、携帯電話のない会話、歌いながら入ってくるマダム…設定を合わせるためにその場で情報を伝えたりアドリブしたり、たぶん日本人なら完璧に準備してたんだろうなと思った。

フランス映画にしてはシンプルで観やすかったけど、気になる点が2つ。
舞台裏というか鏡越しで指示を出してる監督がうるさい上に、プライベートも絡めてくるから途切れ途切れになるのがもったいなかった。欲張りせず、70年代の出会いに没頭させてほしかった。

ヴィクトルがマルゴに惹かれる様子がキャバ嬢に恋する中年男性っぽく安っぽく見えてしまった。確かに魅力的女性だったけど別荘を売って追加料金払うまで…?恋をすると若返るとは言うけど、あのドタバタ感いらなかったな。

また、新しいこと、世の中の変化に関心がなくどこか生き遅れて見える夫に愛想をつかした妻がこのタイムトラベルタイムをして夫の魅力に気づく、なんてパターンも観たいと思った。

ヴィクトルのイラストが素敵過ぎたんだけどあれが評価されないってどういうことってずっと思ってたので息子さんの会社で再び脚光を浴びることを願う。