不寛容な世界で眠る
夢の中で生きる子供たち
これは嘘みたいな本当の話
2020 . 15 - 『Life Overtakes Me』
スウェーデンに避難した難民の子供たちを中心に発症する、トラウマや不安が原因で昏睡に近い長い眠りに陥ってしまう"あきらめ症候群"を描いたドキュメンタリー
過酷な世界から子を守るために必死で避難する家族
命からがら逃げてきた家族だが移民の多いスウェーデンでは国民の移民反対運動が広がる現状もあり、政府から移民申請の許可がなかなか下りずに不安は消えない
子供たちは過酷な現実を前に心を守るべく眠りに陥る
"あきらめ症候群"の明確な原因も治療も解らない中、親は目を覚まさないかもしれない子共をただ見守る
身も心も未熟で繊細な子供はあらゆる面に不安を抱く
トラウマやストレスは本人に自覚がなくとも心を蝕む
例え親が安心させるべく現状を偽っても、部屋の空気感や両親の声のトーンなどで子供は無意識に感じとる
すなわち不寛容な世界に無意識に加担している我々が子供たちの不安を作っており、彼らが目を覚ますには真逆の状況を作り上げなければならない
世界はどこまでも繋がっていて、私たち一人一人が意識しなければ寛容な社会、安心は生まれないと感じた
