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2つの国、1つの家族のakrutmのレビュー・感想・評価

2つの国、1つの家族(2017年製作の映画)
3.2
日本人が出てくる変なエジプト映画をNetflixで見つけたので、さっそく観賞。エジプト人のモハラムは、日本人女性と結婚して二人の息子をもうけたが、妻がカイロの暮らしに馴染めず、子供とともに日本に帰ってしまう。子供たちと一緒に暮らしたいモハラムは、裁判で親権を取り戻し、妻と交渉のすえ、半年間子供たちを引き取り、それで問題が起きなければそのまま子供たちと暮らすということになる。そこで、モハラムは子供たちにエジプトを好きになってもらおうと、いろいろと画策をしていく…というストーリーのコメディ映画。

まず興味深かったのは、間違いだらけの日本(人)観。もちろんコメディ映画なので、おかしいことをわかった上でデフォルメしているのかもしれないが。日本からやってきた二人の息子の服装が、志村けんのバカ殿が着るような着物なのは、まあお決まりか。寝るときも変な浴衣のようなものを着せられるし、寝る前にタブレットで聴く音楽が「きらきら星」って、どんな躾だよ。街の電気屋が直せずに苦労しているテレビを子供たちが一瞬になおしてしまうというのも、日本の捉え方として面白い。

それから凄いのは、二人の息子が全然可愛くない点。映画なんだから、もっと愛嬌のある子役を普通は選びそうなものだけど、なかなか見つからなかったのか。しかも、明らかに日本人ではなさそう。でも、最初はおとなしかった二人が次第にはじけていく様子には笑った。

このような日本人の描写とともに、自分たちのエジプトの習慣や文化を自虐的にディスっているのも特徴的。アパートの上階の窓から洗濯に使った水を捨てたり、大人たちがすぐ喧嘩したり、怠惰な生活を送る様子などが面白おかしく描かれている。

まとめると(あまりまとまってないが)、今までに見たことのない不思議な感覚がする映画であった。これがエジプト映画の総てではないと思うが、Netflixにはエジプト映画が結構ありそうなので、時間があれば他のものも観てみたい。
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