夜中に観覧車の模型を組み立てていた少年の前に恐ろしいクリーチャー達が立ちはだかる話。
監督はピクサーで働いた経験を持つ気鋭のアニメーター。その経験が活きているのか少年の表情からおどろおどろしいクリーチャーの造形、ラストの煌びやかな観覧車まで細部まで施されたアニメの描き込みに圧倒されっぱなし。
手足が長いクリーチャーの造形や全体的なダークな世界観は「サイレントヒル」と「パンズラビリンス」を彷彿とさせる。写真やぬいぐるみなどの小道具から戦時中であることと父親が戦地に赴いていることなどが汲み取れるのもスマートだった。
少年の心の闇を具現化したクリーチャーたちと最後の観覧車の美しさの対比が凄まじくて最高だった。
追いかけられている時の不安を掻き立てるような音楽と観覧車が動いた時の切ないオルゴールの旋律が良すぎた。
わずか13分の尺の中でここまで世界観に没頭させられるとは、改めてショートフィルムの奥深さが身に染みた。