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ガリーボーイのkarmapoliceのレビュー・感想・評価

ガリーボーイ(2018年製作の映画)
4.0
Gully Boy:ゾーヤー・アクタル監督、脚本、製作、ナズ製作総指揮、ランヴィール・シン、アーリヤー・バット主演、2019年インド作品。インドのストリートラッパーのディヴィンとネイジーの半生をモデルに創作した物語。

ガリーボーイ「路地裏の少年」格好いい映画だ!ラップ・ヒップホップとインドの意外な組み合わせがピッタリとハマって楽しいグルーヴを奏でいる(笑)個人的にラップ・ヒップホップは若い時にけっこう聴いた時期もあったけど、ア・トライブ・コールド・クエストなどかなりクールなタイプが好みで、ラップでバトルなんかする様な筋肉質なタイプは殆ど聴かず好きなラッパーに偏りがある。この映画のプロデューサーでもあるナズの音楽は聴いた事もなかったし、しかもインドとの掛け合わせにはかなり不安だった。オールド・スクールのヒップホップはより不良色が強いイメージもある。

メチャクチャ観易い映画だった。インドの貧民街ムンバイを舞台にしているが、その荒んだ街並みや生活振りを丁寧にテンポ良くスタイリッシュに切り取っていく。インド映画とは思えないほど洗練されていて、ちょっと格好良過ぎない??と驚くほどの完成度。格差社会を中心とした深刻で重みのあるテーマをサラッと描いていく。主人公のムラド(ランヴィール・シン)とヒロインのサフィナ(アーリヤー・バット)も美男美女。MCシェールやスカイなど脇役も含めて登場人物のキャラの描き込みも丁寧で好感触。ゾーヤー・アクタルは女流監督だが、全体的にソフトで優しさを感じる演出だろうか。

舞台のスラム街やテーマからは想像できないほど、お洒落映画でポップな印象が強かった。インドもラップもやや苦手な自分でも全然OK!そんなに音楽に興味がなくても単純に王道のサクセスストーリーが好きな人にもおススメかな(笑)また観たいと思う。
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