もこもも

ガリーボーイのもこもものレビュー・感想・評価

ガリーボーイ(2018年製作の映画)
4.2
インドのスラムで生まれ育った青年がラップと出会って、多くの苦難と向き合いながらも夢を諦めずに挑戦する姿を描いた実話を基にした作品

ラップってかっけぇぇぇ!!!
ほんでめっちゃ面白い!!!
ラップにそこまで関心がなかった自分でもガリーボーイのラップには強く引き込まれた
インド社会で社会問題になっているカースト制度や貧困を盛り込んでいるところも素晴らしい

「お前の中にある真理
 内なる炎を吐き出せ」

貧しいスラム街の出身
複雑な家庭環境で暮らす日々
先の人生に希望を持っていなかったムラドがラップと出会って、自分で詩を書いて、シェールと出会うことでラッパーとしての道が開けていく...

"俺の時代は来ている
俺の時代は来ている
言葉の炎
俺の足鎖を溶かす
俺の時代は来ている"

ただかっこいいだけじゃなくて
ムラドの背景を知っているからこそ
魂が入っていた詩に魅了される
どれだけ抑圧されても
恋や趣味や夢は抑えられないし、
抑えるべきではないなぁって

"近くて遠い距離
埋められない距離
格差という虚無
埋められない距離"

スラム街出身で、身分も低くて
環境は恵まれてないかもしれないけど、
応援してくれる素敵な恋人がいて
優しくて頼りになる仲間がいて
人に恵まれたことが大きな財産やったね
シェールとの出会いからどんどん殻を破って才能を開花させていくムラドに興奮させられた
シェールはほんまにいい奴すぎ、面倒見良すぎ
楽しげな歌の収録やMV撮影、ムラドが世間に認められていく姿も観ていて嬉しかった

「道を曲がって良かったのか...
この道はどこに続くのか...」

ムラドとサフィナの関係が大好きやったから
この2人の別れは大きなショックやった...
血が昇ったサフィナは恐ろしいけど、
悪いのは間違いなくムラドなんよなぁ
ただそれでもムラドの真面目さと人の良さ、自省した姿を観ていると許してあげてほしくなった

家族、生活難、友人、恋人、
多くの問題を抱えてどん底に落ちていく...
車の盗みを許すわけではないし、
他の手段はあったと思うけど、
その原因は環境にあって...
その動機は汚れたものではなくて...
なんとも言えない難しさにわだかまりが残る

「人生が苦しくても 
 自分を信じろ 
 お前はもっと強い
 音楽は俺に声を与えた
 その声を閉じ込めたくない」

現状がどれだけ苦しくても
誰になんと言われようとも
出身も身分も関係なく
夢に向かって進む姿が最高にかっこいい
予選も決勝もカッコ良すぎるぜ

サフィナと仲直りして、
ラップバトル大会で優勝して、
モインを釈放させて、
お父さんとも和解して、
大きな舞台で歌うラストに胸がいっぱい

ラップバトルとかあんまり観てこなかったけど
敵であっても相手の上手い所に反応して
観客もしっかり盛り上げる所がいいよね
個人的にサフィナとの見合いをムラドに言いに行って、結婚したくないって言った時にムラドとモインが爆笑してるシーンが好き
ラップだけじゃなくて挿入歌も素晴らしかったからこの作品のサントラは暫く聴きそうな予感
モデルになったNaezyさんの曲も聴いてみよ
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