しめじろー

ガリーボーイのしめじろーのレビュー・感想・評価

ガリーボーイ(2018年製作の映画)
3.9
俺はムンバイ生まれヒップホップ育ち、悪そうな奴は大体友達。インドのスラム街の路地裏からスターダムを駆け上った、実在のヒップホップスターを描いたお話だそうです。
ヒップホップって独特の音楽ですよね。ラップは魂の叫び。まるで魂から溢れ出る言葉をそのまま音楽にしたようです。お前の言葉をなぜ俺が歌う?本作も、本筋はラップに目覚めた若者がフリースタイルラップの大会で優勝を目指すお話ですが、ムンバイのスラム街で生まれ育った主人公が育ちで将来を決められて、恋、家族、人生をもがき足掻く姿が2時間半たっぷり描かれます。インドとヒップホップの親和性の高さよ。観光客には自宅を見せ物にされ(一番刺さりました)、身分社会に人生を抑圧され、溜まりに溜まった鬱屈を叫ぶ、本物のヒップホップの土壌を感じるのでした。
インドの青春映画としても見応えありましたし、もちろんラップのライブシーンはど迫力!ヒップホップは普段聞かないし全然詳しくないですが、それでも体が縦ノリで動きそうになるほど魅力的でした。最初の学祭のライブよかったなあ。最後のライブももっともっと見たかった。しかし途中でガリーボーイのPVを撮るシーンがあるんですが、街中の人々を巻き込んで踊る様子やら、主人公のおどけ方なんかはやっぱりインドっぽくて笑ってしまいました。