これはまたインド映画の新しい側面!
スラム街に住む主人公がラッパーを目指すストーリー。なのでラップを歌うシーンがいくつか出てくるのだけど
そのラップシーンがストーリーとうまく絡み合っていて
インド映画あるある【唐突に始まるダンスシーン】という印象を全く感じなかった。
そういったスマートな構成がこの映画をスタイリッシュにした要素だと思いました。
(個人的にはインド映画の唐突ダンスシーンは大好きです)
テンション上がるし、主人公の作る歌詞がいい。
友情、恋愛、家庭のこと、信仰のこと…本人を取り巻く様々なことが、ラップになっていく。
そのへんもリアルな人間像。
登場人物がみんな、ひと癖あって人間くさい。本気で怒ったり、絶望したり、助け合ったり。
伏線がすごく細かい繊細な部分にあるのも、この映画の魅力です。
終盤のシーンで、ラップバトルの結果発表があっさりとしているところも
いい意味で裏切られました。
確かに結果はわかっているし、そういうところを描かないのも素敵だなと。
見せたいのはそういうところではないのですね!
荒々しくもみえるラップの世界に、繊細な人間の心が描かれる。このギャップの見せ方がうまい!
ビジュアルだけでなく、構成もカッコいい映画でした。