ガリーボーイの作品情報・感想・評価・動画配信

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「ガリーボーイ」に投稿された感想・評価

qudan

qudanの感想・評価

4.0
スラムが舞台なので、いわゆるボリウッド映画の色彩ではなく砂埃が舞うくすんだ色彩。

主人公が逆境に立たされるほど、リリックに反発する心の叫びが投影され、リアリティを増して刺さるものになっている構造。

とにかく音楽が良い。
ヒップホップ+インド音楽によって新鮮なものになっている。
字幕でも韻を踏んでいたり、丁寧な仕事。

ヒロインを始め主人公以外の若者たちも、様々な差別に逆らおうとしているところも良い。
いとうせいこうの本気を見ました
otkino

otkinoの感想・評価

4.7
インド映画に音楽は付き物だけどHIPHOP新しいし超かっこいい
現実的な夢以外見るなっていう父親に背いて、でっかい夢を俺は見るし夢に現実のほうを寄せるって言い放つ主人公の輝かしさ
夢とパワーを与えてくれるインド映画文化サイコー
こすも

こすもの感想・評価

5.0
インド映画お決まりの長尺、理不尽なまでの家父長制という設定であるものの、なんと劇中にあの"踊り"がないんです。女性監督、女性脚本家だからかな、ヒロインや母親を強い女性として描いていたりして、ボリウッド色が中和された世界中の人に受け入れられやすいインド映画になっていると思います。
本作は、インドで活躍するラッパーNaezyの実話をベースに、ムンバイのスラムで育ち、ただのヒップホップ好き青年が、友人たちに支えられながらラッパーを目指し成功していく、という正統派の音楽サスセスストーリーです。
スラムと言ってもスマホはみんな持っているし、あまつさえ大学にも通っている。貧困層からの下克上、大逆転ではなく、サラリーマンぐらいにしかなれない一般ピープルが夢を追い続け最後に壁を破るというストーリーが現実感があってよかったです。
とにかくインドのヒップホップが楽しい。主人公と一緒にラップというのはこういうものだと学んでいけるのも良き。
美人で猟奇的な彼女(ヒロイン)も良き。
不安は一切無かったが安定の良さみだったボリウッド。
ラップシーンくそかっけぇし大満足。
女関係の件で超絶シンパシーを感じたのはこの映画が初。
劇場公開期間が極端に短く、観る事ができなかった作品がDVD化されたので、さっそく鑑賞。インドのストリートで不良仲間と遊んでいた若者が、たまたま出会ったラップの魅力に目覚め、Nasのインド公演での前座出演を目指すコンテストに挑むという話。名前等は変更されているが実在するインドのラッパーがモデルになっているそう。

ラップという文化自体、今では世界的な物で、本作で披露されるヒンドゥー語と英語をミックスしたラップも、他のインド映画等で聞き慣れているテイスト。親世代の古風な価値観に対する反抗がストーリーのベースにあるけれど、それは例えばアメリカの同じタイプの映画にも共通するもので、特段インド映画としての特殊性を意識するより、国境に関係なく若者が熱狂する音楽としてのラップの躍動感を大音量で楽しむ方が、本作の魅力を満喫できると思う。

このレビューはネタバレを含みます

2020 2/23 14/24

インドの現代劇を観るとすごい学歴&格差社会なのだなあと思います。ラップはその国の言葉がわからなくてもかっこいいな。
それからサフィア役のアーリヤー・バットさんがものすごくキュート。お見合いのときの「お料理はともかくあなたの肝臓移植はできます」っていう台詞が死ぬ前に一度は言ってみたくなるパンチラインでした。
すげぇ良かった。

とりあえず胸の内に燻っているモノをしっかり表現して戦う主人公が鬼かっこいい。

インドの情勢や文化もほぼ知らないが、そこら辺を分からなくても感情だけで熱くなる。

まずインド映画でこの雰囲気を見た事無かったのが一番の要因かもしれないが、物凄く引き込まれた。それとサフィナというキャラクターのヤバさがハマった笑
情熱的だし、自分が強いし、頭いいし、暴力的だわなかなかクレイジーなんだけれどもどんな壁でも知恵と力技でよじ登れそうな強さがある好きなタイプだった。
映画はアホほどあると思うけど、まだ新しい感覚を味合わせてくれるキャラクターがいるから楽しすぎる。

映像も飽きずに見れる。途中途中で挟まるMVはクールだし、それ以外のシーンも画面に広がりを感じて退屈しなかった。
最後のタイトルバックは思わず「おぉ!かっけぇ」と身体も前のめりになった。凄い不意を突いて来られた感覚。

ストーリーは王道的だが、今まで見てきたインド映画に比べるとリアリティが臭うような犯罪臭があり好み。
ただ主人公は進んでやっている訳でもないのでそこまで個人的にだが好感度は低くならずに見進めていけれる。
それ以外はかなり王道なサクセスストーリー。身内とのトラブルやライバルたちとのラップバトルに友情と恋で突き進みコンテストがありと特に不満もない様な脚本でかなりベタ。
むしろベタなストーリー以外でやられても余計なのでこれでいい。

とにかく虐げられている者という主人公で構成はバッチリ笑
弱者がのし上がるのはみんな好きだし。

個人的に物凄くハマったのがやっぱり主人公の信念。言いたいことをラップに乗せて言うっていうシンプルだが強力な詞で魅せられる。「俺の時代が来る」なんてダサいとしか思わないが、本気で胸から滲み出ている言葉だと分かるのでガツンと来る。普段恥ずかしいやら空気に合わせて言葉を噤む人にとっては憧れと俺もやってやるというパワーが貰える。
何かアクションを起こしたくなる様な映画で、ラップでなくても今必死こいてやっている事に対してのモチベーションが上がった。
個人的に印象に残るのは、親父の「現実的な夢を見ろ」というセリフだった。その後の主人公の台詞や行動含めて一番主人公とシンクロした瞬間だったと思う。このシーンが印象に残る自体まだまだ子供なのかもしれないけどね笑

インド映画は今のところ結構大きなテーマ。文化や社会問題や格差に立ち向かう主人公という構成が多い印象で、改めて個人で世界に拳を構える物語というのはしっかり表現出来ればガツンと来る映画になるなと認識出来た。
誰しもが持っている不満が投影されている様な気にもなるので個人vs世界は気持ちいい。勿論娯楽作品なら勝ってもらわないと気持ちよくないけどね。
ガリーボーイは終わり方も超良かった。主人公が言いたいことを言って終わる。エピローグは少し。最低限で最大値まで気持ち良さを引き出したクールな構成。見終わった後の爽快感が凄い。
単純に雰囲気やカメラワーク。舞台が気に入ったってだけだけど個人的には物凄くいい映画に出会えた。
トタンの屋根が並ぶ風景やゴタついた街並み、狭い家。ダサい言い方。見ていて現状の心象風景の様でハマる。どんな物語もその時の感情などでもまた感想が違ってくるのでそれが全てではないけど、見たタイミングも良かったのかもしれない。

かっこいい映画。
field

fieldの感想・評価

3.7
音楽の多さとパフォーマンス、やはりスクリーンで観るべきだったな。

ムスリムでスラム育ちの学生ムラド、ファーストルックでランビールだとアングラ感は弱いかなと思ったけどステージでは様になってた。スラムの中でも貧困の度合いは違うのだろうがムスリムの就職難だったり経済・宗教・階級、保守的な思想など肌で感じる壁、その鬱憤を晴らす唯一の方法がラップだったという事か。
父親の現実目線も間違いでは無いが若者には窮屈だったろうな、夢を抱くようになったら尚更。
生き方に恋愛、友情が程よく入っててテンポ良く観れた。バトルの練習だったり絶えず音楽が流れていたせいもある。

恋愛ではプロデューサー役のケクランが大人しめだったか、ミステリアスな雰囲気が良く合う。
医大生サフィナ、アーリアの変化を感じ取り時に大きく揺れる演技は良かった。演技も細かいし、嫉妬に燃え攻撃的な設定が似合う。

面倒見いい先輩ラッパーのシェールは勿論、悪友モインも何だかんだでいい奴、友人と詩の才能に恵まれた路地裏生まれガリーボーイが舞台に立つまでのサクセスストーリー。再現度の高いスラムの大掛かりなセットで行うPVの撮影は格好良いし、どのショットも色味含めて様になってる。
「俺の時代は来ている 俺の時代は来ている 言葉の炎 俺の足鎖を溶かす 俺の時代は来ている 」

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「偉大なミュージシャンは皆貧しかった。困窮状態でなんでも食った。ビートを盗んで飢餓をライムにしたんだ わかったか? お前の中にある真理 内なる炎を吐き出せ。吐き出せ 吐き出せよ 偽物は蹴散らせ」
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