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最初の晩餐のjozeのレビュー・感想・評価

最初の晩餐(2019年製作の映画)
3.8
役者、永瀬正敏の底力。
テレビドラマに軽々しく浮気せず(濱マイクは別!アレは最高!)生粋の映画人。ハリウッド大作が全盛期の頃、邦画のカッコ良さと、時代時代の畝りを教えて頂いた。声、仕草、佇まい、、、、なんだかいつもゆらされる、今回もグラグラゆれた。

親の再婚により別々だったものがひとつになる。正確には、なりかけた話。互いに寄り添い段々と家族になっていく。この辺の描写が丁寧で心地が良い。家族には色んな形があり、正解なんてない、血の繋がりを越えた愛を感じた。思い出の料理を共有できる繋がりこそ、財産であり家族なんだろうか。

永瀬さんのような屋台骨をどっしり支える存在が居るから、他の役者が生き生きしてるように感じる。隠し球の窪塚洋介登場よりも、子供時代を演んじた3人の方が、本物の親子と錯覚するほど素晴らしかった。

昨日の食べた物の記憶さえ曖昧な無頓着者にとって、物心ついた頃の晩餐なんて、覚えてるはずがない。けれど死ぬ直前の最後の晩餐は決めてある。いや、嘘。カレー、生姜焼き、スパゲティミートソースで悩んでます、、、ははは、庶民すぎる自分に笑いが止まらない。
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