Maoryu002

死刑台のエレベーターのMaoryu002のレビュー・感想・評価

死刑台のエレベーター(1958年製作の映画)
3.6
完璧な計画殺人のはずが、ちょっとした手違いからとんでもない方向に転がって行ってしまう。まるでコーエン兄弟の作品を観ているようだったが、逆にこの映画が彼らのルーツになっているのかもしれない。
そして、シュールさではこの映画がピカ一だ。

夜の町を彷徨い歩く人妻ジャンヌ・モロー、そんな彼女がラストに「10年…20年…、私は老いていく。でも二人は結ばれる。誰も私たちを離せない。」というセリフと淡々と語るのだが、これがいかにもフランス映画って感じで武者震いする!

30年前に観たときも、良くできてる映画だなーって感心したけど、改めて今観ても奇抜で楽しく、そして切ない物語に感心させられた。

「現金に手を出すな」でも本作でも、共演はちょっとだけだったジャンヌ・モローとリノ・ヴァンチュラ。ともにこの映画で個性を発揮しまくっている。
特にリノ・ヴァンチュラは自分の中では「冒険者たち」の印象が強いのだが、この映画でも時間は短いが刑事役をシブく演じている。
そして、主役モーリス・ロネは「太陽がいっぱい」でも早々に殺されちゃうし、不運な役ばかりな気がする。
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