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死刑台のエレベーターのYOU5521のレビュー・感想・評価

死刑台のエレベーター(1958年製作の映画)
4.5
なにこれ!
完璧な映画だ

かつて完璧だなと思った
『ゴッドファーザー』と『タイタニック』
とは違って、
ヴィスコンティの『山猫』や小津映画に近い。
前者はアメリカ映画。エンターティメントなのだ。
後者はなんていうか…アーティスティック。
どっちがいい悪いじゃなくて
匂い立つものが違うんだと思う
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ずっとフランスという国が好きだが、
子供の頃こういう映画を見たせいかも知れない。
パリの街やおしゃれなパリジェンヌを見ると
うっとりしてしまう

待ちぼうけをくらって
ジャンヌ・モローが夜のパリの街を
さまようところなんて
もうたまらなくムード満点。
切なげな音楽もいい

細かいところだが
若い男をつけて、モーテル内を歩く
モローも素敵
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ラストが秀逸。
この展開は読めなかった。
こうきたか。
ジャン・ギャバンとアラン・ドロンの
『地下鉄のメロディ』のよう。
映画好きにはたまらないと思う

そして、それでも…
最後に愛を語る。
そこがまたフランス的でよいのだ
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いま思ったのだが
ラストの写真現像のシーン。
これって日本映画『八日目の蝉』に
同じような場面がある

『八日目の蝉』で
古い写真が現像され、昔の母娘(とりあえず)が
立ち現れてくるところ。
過去と現在が切なく交差する
日本映画屈指の名シーンだと思っている。
それが、ここで結びついた

映画の醍醐味満載。
んー深い味わい
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