逆鱗

アルプススタンドのはしの方の逆鱗のレビュー・感想・評価

4.0
人生に端っこなんてねぇよ、バッキャロー‼️

人は学校でも社会に出ても集って過ごすから、どうしても真ん中や端っこ的な仕分けができてしまう

でもそれはその集団内の仕分けなだけであって、みんな各々の人生ではど真ん中である

そんなことを夏にふさわしいアルプススタンドのはしのほうで表現してくれた良作、
兵庫県の東播磨高校の原作というのだから、地域ならではの舞台設定も良い

誰もが自分の人生に何かしら投影して、登場人物の誰かに共感して、胸いっぱいの気持ちで帰れる作品である
私は万年学年一位の秀才女子の「先生、友達いないとダメですか?」に胸がグッとキタ!

私は高校球児ではないが、甲子園常連高に通っていたので、県大会1回戦は1年生は強制応援だった
そのおかげですっかり高校野球応援にハマったので、この作品にめちゃ共感できる過去である

私が在籍していた当時、夏春夏春と連続出場して、後半夏春はベスト4と準優勝という大盛り上がりを見せてくれた

いつも甲子園に出るたび、監督さんの方が有名な学校で、その采配はマジックと評されていた
ホント不思議な監督で、キャプテンは固定せず大会ごとに変えるけど、甲子園出場のかかった県大会の試合で、絶不調のエースや主砲は変えない、甲子園に出ても1回戦や2回戦では目の前の試合に勝つための野球はしない
いつもベスト4から上を狙ったマネジメントをしている
だから、全部に理由があり、勝つ時は大きく勝ち、負ける時はホントあっさり1回戦で負けて帰る
監督さんはいつも言っていた、ウチは弱いから、試合を通じて強くなんなきゃいけない、じゃないと勝てないから、
だから、選手が強くなるための試合運びをすると
この映画的に言うと、端っこが強くなって、真ん中に勝つストーリーに興奮した
のちにこの監督の勇退の年に優勝旗を持ち帰るんだからスゴイ!

そして、社会人になって関西勤務になり、休日に高校野球を観戦しに行った時、圧倒的な真ん中の人物を見た
その人物が打席に入る前に、一瞬の静寂の後にクイーンのWe Will Rock Youの演奏が始まる
壮大なブラバンの演奏と観客の手拍子と足踏みの中、現れるその人物は、中田翔選手!
4番でピッチャーの大エースで、その試合でも自分で抑えて、自分でホームラン打って見事勝利
悲しいかな才能は平等ではない

ただ、圧倒的な真ん中がいても優勝が約束されたわけではない
それぞれの強みを発揮して、それぞれの役割を全うして活躍するチャンスはある

大事なのは自分の強みを知っていて、それを活かせるか
そして、才能は他人と比較して羨んではいけない
本当に悲しいけど、生まれ持った才能の違いはあり、10を聴いて10全部理解するヤツがいれば、3しか理解できないヤツもいる
努力してないなら他人を見習ったら良いと思うし他人に学ぶ姿勢は必要だが、才能の違いを比べて他人の出来の良さを羨むのは無意味、
そいつとの違いを活かすことを考えよう、そうすれば自分の人生の真ん中を素敵に生きられると思う
私もそうでありたい!
逆鱗

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