マツシマ

アルプススタンドのはしの方のマツシマのレビュー・感想・評価

4.1
自分は真ん中の存在?
それとも端っこの存在?

大人になって思うことは「自分こそが世界の中心だ!!!」と思える人は思ったより少なくて、存外みんな自分のことを「端っこ」だと感じているんじゃないかってことで
それこそ学生の頃、クラスや学校の中心にいるような人気者ですら、そう感じる瞬間はあったんじゃないだろうかと
推測に過ぎないけど、今ではそう思うこともある


学年全体で高校野球の応援に駆り出されている、野球のルールも知らない演劇部の女子2人
近くに座った元野球部の男子1人
後ろに佇む学年一の才女にして友達0の女子1人

アルプススタンドの端っこにいる、学校内での存在も端っこの4人のやり取りが映画の9割を占める、とてもコンパクトな物語

でもだからこそ、それぞれの繊細なやりとり、心の機微が細やかに描かれていて、それはもう十二分にドラマチック

試合が進む過程で、彼彼女達の関係も心情も変化していって、そして最後には端っことか真ん中とか、そういうのに悩む多くの人達に向けたカタルシスが……!


セリフも演義も設定もなんだか舞台っぽいなと思っていたら、なんと高校演劇のグランプリをとった舞台が原作で、役者も多くがその後作られた舞台版からの続投だとのこと
なるほど納得

高校生同士のやり取り、いざこざの絶妙な細かさ、リアリティはなんだろう!?と唸っていたら、元の脚本を描いているのは高校の演劇部の現役の顧問の先生らしく、そこもなるほど納得だ
(いや、それにしてもこの観察力と描写力は本当にすごい)

端っこだと感じる自分をどうするか、というテーマだけではなく、応援すること、されること、しょうがないって本当にしょうがない?などの大人も絶対に無視できないテーマがそこにはいくつか内包されていて
なんかもう自分もアルプススタンドの端っこに座っているような、目の離せなさがある

とかなんとか冷静ぶって色々語ってしまったけど、
野球部とかサッカー部の奴がマジで嫌いだった私のような人間が!!!この映画を冷静に観るなんて無理よ!!!
調子乗ってんじゃねえぞ、テメェらなんざ一歩校外に出たら雑魚だからな?雑魚
主役ぶってんじゃねえよバカが
って思ってましたからね!!!
真剣に!!!

そういう斜に構えたと言うか、シンプルに連中に憎悪を抱いていたような人間こそ観るべき映画だと思いました!

ちょっとテイストは違うけど「桐島部活やめるってよ」に無視できない何かを感じた人も、観ると良いと思います


あとなんと言っても役者さん達!
個人的には特に友達0才女役の中村守里さんのネクスト・ジェネレーション感!!!
次世代のヒロインは君だ!!!
と言いたくなるような透明感(安っぽい表現だなあ)と可憐さ!!!
ありがとう…ありがとうの光に包まれてしまいました
吹奏楽部部長役の黒木ひかりさんもでたらめにキュートでしたが、まあその不器用な美少女フェチな私には中村さんが刺さったと言うか……ね???

もちろん他にも次代の素晴らしい役者さん達がこうしてすくすく育っているんだ…と豊かな気持ちになれること請け合いです

青春映画のオールタイム・ベストがまた1つ新たに生まれたんじゃないでしょうか


野球の試合そのもののシーンはマジで0.1秒もない思い切り、素晴らしいぜ