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フォロウィングのYYamadaのレビュー・感想・評価

フォロウィング(1998年製作の映画)
3.4
【監督クリストファー・ノーラン】
第1回監督作品

〈見処〉
①それは自主作品から始まった。
・『フォロウィング』(尾行の意味)は、クリストファー・ノーランが監督・脚本・製作・撮影・編集を務めたデビュー作品。
・作家志望の青年ビルは、興味本意から街で見かけた人物を尾行・観察する行動を始めたが、あるとき、尾行相手の男性コッブに気付かれ、共に悪事に手を染めることになっていく。
・本作はわずか6,000ドルにて製作された自主映画。スタッフは就業の傍ら週1日の撮影を行い、約一年の期間をかけて完成。
・登場人物の容姿が異なっている脚色は、長期の撮影期間の名残である。
・ノーラン監督は本作の「英国インディペンデント映画賞」などのインディペンデント系映画祭のノミネートを機に、世に出るきっかけとなった。

②ノーランらしさの演出
・ノーラン監督が崇拝する1950'sの犯罪映画スタイル「フィルム・ノワール」の基本構成「情緒よりも叙事を中心としたストーリー」「主演3人によるアンサンブル」にて描かれている。その枠組みは、監督第三作『インソムニア』まで続く。
・またノーラン監督固有の時間軸を活用した演出は、本作でも発揮。
・監督第二作『メメント』と異なり、時系列はシャッフルされ、複雑な構成となるが、短い上映時間や、主人公の容姿の変化により、迷子にならずに鑑賞することが出来る。
・自主映画作品でありながら、しっかりして映画構成に、監督としての力量が現れている処女作である。
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