ぐりこ

I Am Easy To Find(原題)のぐりこのレビュー・感想・評価

I Am Easy To Find(原題)(2019年製作の映画)
3.8
ザ・ナショナルの新譜と連動さた同名ショートフィルム。MV的な作りを想像していて、それは事実そうなのだが、なんというか思ったよりも映画だった。

特別ではない或る女性の一生をアリシア・ヴィキャンデルが演じ抜く。
生を受けて、母と出会い父と出会い世界と出会い、自我が目覚めて孤独を知り、友達、愛や残酷を知り、嘘を覚えて、ダンサーを夢見、家を離れ大学へ、彼氏、中絶、母とのケンカ、結婚、仕事、性の問題、夫の無理解、別の男との浮気、新しい街、妊娠、出産、夫より子を愛す、母の死、夫との不和、経済的問題、自分を必要としない息子、父の死、夫を身近に感じ、同じ事で夫と言い争い、音楽、息子の巣立ち、更年期障害、夫を家で看取り、脳裏に浮かぶ様々な風景、初孫、新しい友達、自らを振り返る、、、

ほとんど白黒の映像で字幕セリフのみ、決して特別ドラマチックな人生を描いたわけではないのに、、、なぜか泣けた。
というか、普通の人生がこれだけ素敵なことなのだと、自分が知っていたことに驚いた。きっと10年前の自分なら最後まで観なかったろうな。
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