CINEMAと暮らす

ホドロフスキーのサイコマジックのCINEMAと暮らすのレビュー・感想・評価

3.3
妙に納得出来る対処法で人々は恐怖と向き合っていく。特に印象に残っているエピソードは結婚式の前日に婚約者を自殺で亡くした女性の治療だ。彼女はスカイダイバーだった夫を飛び降り自殺で亡くしており、飛び降りる直前にはいつもと変わらず「愛している」と告げられたそうだ。理解が及ばない夫の行動に悩み続けていたが、サイコマジックで夫の死を肯定することが出来た。どういう心境の変化があったのかはわからないが、苦しんではいないことは伺える。

これまでの作品を見て、ホドロフスキーが圧倒的に豊富な人生経験を持っていることはわかっている。これだけの経験を積んでいれば、どんな悩みでも解決出来るんだろうと思ってしまう。それこそがホドロフスキーの布教戦略なのか?だとすれば彼が長生きすればするほど、人々は解放されていくのでは?よし、深く考えるのはやめて、ホドロフスキーが300歳まで生きることを願おう。そして生き詰ったら解放してもらおう。