柊

山中静夫氏の尊厳死の柊のレビュー・感想・評価

山中静夫氏の尊厳死(2019年製作の映画)
3.9
余命宣告を受けた癌患者の終末期のお話。
でも顔艶やふくよかさは変わらずで、医者役のツダカンの方がどんどん悪化していくので、そっちが先に死んじゃうんじゃないかと何度も心配した。

ツダカンの医者が患者に対してあまりにもいい人で一生懸命。こんな医者に看取られたら患者さんもご家族も本望だろうなぁって心底思った。
あんなにいろいろプライベートな話を親身に聞いてくれる人もそんな余裕も今の病院には無い…と思う。
命に限りがあるのは仕方がない。だからこそ、どんな病院、どんな主治医、どんなナースに出会うかはとても大事な事。
でもそれはほとんど偶然の世界。

中村梅雀の患者さんも婿養子をやたら強調してたけど、じゃあお嫁に行くと表現される奥さんの方はどうなんだろう?誰もが多少我慢も遠慮もしてるのではないかな?
他人同士が夫婦になるってお互い様だと思う。だから死ぬ時は誰にも遠慮せずと言う発想は、やっぱり男性目線かな。

でも余命宣告をされた後の生き方は、ん〜経験者として、分かる分かるウンウンとなった。死ぬ事とは?私もそろそろ考えておかないとね。

それにしてもエンディングの歌、酷過ぎないか?何かいい余韻がぐちゃぐちゃにされたような…せっかく田中美里の変な奥さんの演技やっと終わったとホッとしたのにもうひとつなんじゃこりゃが最後にやってきた。ちょっとこのふたつはセンスなかったね。
柊