ミシンそば

ソワレのミシンそばのネタバレレビュー・内容・結末

ソワレ(2020年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

冒頭、タイトルが出てくるまでが長い(「タワーリング・インフェルノ」のマックイーン登場までと同じくらい長いんじゃないか)。
中盤、美術館での「安珍清姫」でタイトル「ソワレ」の意味を知る。
ラスト、冗長な序盤の何気ないシーンを思い返して「マジかよ……」と思わず溢す。

まあ、地元民目線で見ると、「こいつら御坊から明らかに南下してるけど、なんで南部(みなべ)から一気に市内へ北上、もといジャンプ?」と野暮なことを思いもしたが、やっぱり「行ったことがある、行ったことはなくとも知っている」場所や、聴き知った訛りなんかも多く出てきたのはやっぱり嬉しいことは嬉しかったな。

主人公は犯罪への加担とか、パチンカスぶりとか、ヒロインに対する仕打ちとか、屑なところが余すことなく描かれる。
冒頭のヒロインがムショ帰りの父親に犯されてる場面に、あと5分早く割って入ってクズな父親の台詞をちょっとでも聞いてれば「お前のせい」なんて口が裂けても言えないだろうに、言っちゃうんだよなあ……うーん、クズ。

だが、主人公の一番愚かところは、最後まで「あること」に気付かなかったことだと思わざるを得なかった。