余命半年を宣告されたギホンは、国家の極秘プロジェクトで誕生した世界初のクローン人間「ソボク」を護衛する任務を与えられる。ソボクは寿命では決して死ぬことのない実験体で、彼の細胞を利用することで人類は死を克服することが出来るらしい。しかし人類の希望にも災いにもなりうる彼をめぐり闇の組織が迫る。死を目前にした男と死を知らない男、果たしてどうなる…？な話
映画を愛し、映画に愛されてるのでオンライン試写にて。いつもありがとう…。「死を克服することは善なのか？」という人間の死生観に鋭くメスを入れながらかなり熱めのアクションも見せてくれて、さらに人生の酸いも甘いも知り尽くした男と、施設の中でしか生きて来なかった何も知らない男の逃避行バディムービーといった要素もある、かなり詰め込んだ一作。とは言えなかなかおもろい！
アクションはワクワクさせてくれるクオリティ（あの日本アニメ映画を彷彿とさせる…）を担保しつつも時間的には短めで、どちらかといえば「寿命で死なず実験のためだけに存在する人間の形をした人間でない者」というソボクがギホンと時間をともにすることで人間としての本質的なことに触れ、存在意義について自問自答する…という割と考えさせられるドラマ性が強かった印象です。主演二人の葛藤に押しつぶされる演技はかなりアッパレで引き込まれていきました。コン・ユは「新感染」の時よりさらに洗練されてて良い！
それにしても若いうちの病気や不慮の事故では絶対に死にたくはないけど、ソボクみたいに永遠に生きたくもないので80歳で誰にも迷惑をかけずにスパッと死ぬという、そんな都合のいい体に、私はなりたい。敬具
