ソボクがとっても可愛かったなー。ドジョウに興味津々だったのも、物欲しそうにしてたのも、初めて食べたカップラーメンが美味しくてしょうがなかったのも、もう“無垢な”という言葉がピッタリな感じの可愛らしさだった。そんなソボクが投げ掛ける「なぜ」「どうして」はとてもシンプルで、だからこそ刺さるものがあったなぁ。
実験体として制限された生活を強いられ生きてきたソボクだけど、抑制剤を打たれる度に見せる辛そうな表情やお母さんを想う気持ちを観てると、研究員たちのように単なる実験体としては観られなかった。それはギホンも同じだったようで。不器用ながら、少しずつギホンとソボクが距離を縮め心を通わせあっていったのは、この映画で唯一ささやかな救いだったかもなと思った。
死が目前にあるギホンと、永遠の命を生きられるソボク。この対比がよく効いていたと思うし、だからこそラストは切なかった。ギホンももう僅か・・・。
「死ぬのも怖いと思うけど、永遠の命を生きるのも怖い。」ラストのSF感満載の戦いにちょっと本筋を忘れかけたけれど、この映画もまた『Arc』のように生死を考える内容だったなと思う。
#70_2021