映画好きの柴犬

SEOBOK/ソボクの映画好きの柴犬のレビュー・感想・評価

SEOBOK/ソボク(2021年製作の映画)
3.6
韓国映画にしては珍しい、邦画のようなぬるい作品

 不死身のクローン人間ソボク(パク・ボゴム)と、その警護を依頼された余命幾許もない元情報局員(コン・ユ)の逃避行を描く、SFアクション。

 我が家の女性陣も激推しのコン・ユ×パク・ボゴムとなると女性客狙いであろう。なので、サスペンスやバイオレンスは抑えめで、ヒューマンドラマより。最初は反目し合うコン・ユとパク・ボゴムが心を通わせていく展開や、ソボクの「母」である女性研究者(チャン・ヨンナム)とソボクの微妙な関係とか、定番の展開ながらもうちょっと上手く描けば感動大作になり得たんだろうけど、色々と盛り込みすぎたせいで、どっちつかずの中途半端な出来になっちゃった。

 なにしろ、物語の縦軸となるソボク争奪戦と逃避行の描き方がぬる過ぎて、緊張感のかけらもない。いっそのこと、アクション要素は取っ払って、ドラマに絞り込んだ方が監督(「建築学概論」のイ・ヨンジェ)の素養的にも良かったんじゃないかな。