PaoloSorrentino

羊とオオカミの恋と殺人のPaoloSorrentinoのレビュー・感想・評価

羊とオオカミの恋と殺人(2019年製作の映画)
4.1
試写会で観れて本当に良かった。
スクリーンで観るべき映画

スプラッターホラーアクションラブコメとしては2点台だが、
アイドル映画としては満点に近い

福原さんのファンでもなく、バラエティーで見たことはあったが、特別に綺麗だとか印象に残ることもない芸能人、という認識しかなかった。

しかし、スクリーンに映った彼女は観るものを惹き付ける画力があった

映画は、時を刻む芸術、であり、監督は、女優の最も美しい瞬間を撮る、責務がある。

今作は、おそらく福原さんの現時点で表現できる限界を捉えたのではないか

バラエティーや実際に観るよりもスクリーン映えすることの方が映画としては圧倒的に重要で、こんなにアップの表情や瞳に魅力がある女優も作品も久しぶり

内容は苦笑いするしかないが、そんなことはどうでもよくなるほど彼女は可愛かった

多くの人が役者で映画を選んだり、アクション映画を楽しんでいるのが、共感できなかったが、少し理解できて良かった


服は脱ぐけど、裸は映さない
血は舐めるけど、キスはしない
キスはするけど、唇は映さない
アクションはするけど、水戸黄門様式
罪を犯すけど、罰せられない
人は死ぬけど、苦しみはない
未来はあるけど、過去はない
人生に絶望しているけど、心も顔も清潔
合羽を着るけど、透明
血飛沫を浴びる時は、白い服
ギャングは、ステレオタイプ
巨大な穴だけど、見つからない
大声出すけど、聞かれない


殺す瞬間は映していいのに、キスの唇すら映せない
性描写より殺人描写の方が圧倒的にユルイ
この余りにも歪んだ倫理観や規制

新感覚を目指したくても、ガンジガラメな制約と自己規制によって、枠に収まった中途半端なものに
どこまでもマンガ的で自己完結世界でも、映画に何を求めるかは作品によって変える重要性を改めて実感
PaoloSorrentino

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