dita

少年の君のditaのレビュー・感想・評価

少年の君(2019年製作の映画)
2.5
@ シネマート心斎橋 45

映像も役者もよかった。けど好きじゃない。

いじめ(というか暴行事件)問題を愛で包むの、そろそろやめませんかね。いじめを愛の美しさで固めてもなにひとつ解決しないし、加害者の罪が置き去りになるだけだ。
こういう映画を観ると被害者は強くならなきゃいけないの?乗り越えなければならないの?といつも思ってしまう。

冒頭の彼女、数ヶ月前の旭川の事件の被害者、救ってくれる少年の君に出会えず死を選んだ人のことをわたしは忘れたくないし、子供の頃に傷つけられまだ癒えない自身の傷をごまかしたくない。傷は傷だ。死は死だ。犯罪は犯罪だ。愛は傷を癒すのではなく、目立たなくするだけだ。愛とは別の解決方法を社会と人間が考えなければ何も変わらない。
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