映画『少年の君』
傑作！
前半からウルウルきたけど、
最後嗚咽するくらい泣いた！
中国映画
高校3年生のチェンは、家庭にも恵まれず、勉強はできるがクラスにも馴染めず、学校ではひっそり過ごしている。同級生がいじめで自殺した出来事をきっかけに、チェンがいじめの標的になる。
いじめっ子がいない道を帰るチェンは、不良に絡まれるが、イケメンのシャオベイに助けられる。
受験をあと1か月に控えて、チェンは母の問題やいじめで追い込まれていく。学校にも行ってない、不良仲間と窃盗やケンカを繰り返すシャオベイ。
「バカとブスこそ北京大へ行け！」チェンが目指すのは北京大学。優秀なチェンはあと少し頑張れば人生を一変できる。
キャスティングがこの映画の最大の成功と言える。チェン役のチョウ・ドンユィは、タレ目で、丸まった背中で、内向的な雰囲気、無表情、よくこんな女優を見つけてきたなと思っていたら、撮影時、なんと26歳！高校3年生でも幼く見えるのに。チャン・イーモウ監督の『サンザシの樹の下で』でデビューして、「13億人の妹」と呼ばれた若手名女優。
そして、シャオベイ役のイー・ヤンチェンシーの目力。2人とも目の縁起が素晴らしい。イーは歌手でダンサーでアイドル・グループのメンバーという日本のジャニーズのような感じ。撮影時は19歳。なんとチェンより年上を演じたのに、だいぶ年下だった。
監督は、俳優・監督・プロデューサーのエリック・ツァンの息子デレク・ツァン。この映画では、不思議な街の構造を使ったシーンが多くて上手い！重慶市の道路、階段など螺旋状で迷路のような街。四角く真ん中に運動場のある閉鎖的な学校。構造が主人公の置かれた状況とリンクしているのが素晴らしい。重慶の入り組んだ街が逃げ出せない二人の状況とリンクする。
バイクに2人が乗る姿に日本の少女漫画「ホットロード」を思い出すが、学校のいじめ問題、受験、家庭問題、ストリート・チルドレンなども描いている。バイクのシーンで尾崎豊の♪Oh My Little Girlが流れそうだけど、全編不穏なメロディが流れる。エンドロールの 岑寧兒のFly が素晴らしい。
脚本、演技、演出、撮影、編集・・・何もかも素晴らしい傑作。
