東京国際映画祭学生応援団

少年の君の東京国際映画祭学生応援団のレビュー・感想・評価

少年の君(2019年製作の映画)
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デレク・ツァン監督の長編2作目の映画であり、今年のアカデミー賞で国際長編映画賞にノミネートされるなど、話題の映画です。

厳しい受験戦争や、いじめ、貧困などの社会的な問題を背景に非常にドラマチックなストーリーが展開される感動作でした。

僕は、監督の前作である『ソウルメイト/七月と安生』(2016)を観たことがあるのですが、ここで主人公の1人を演じていたチョウ・ドンユイという女優さんが、今作でも主人公の高校生を演じています。

彼女は現在29歳ですが、高校生役を当然のように演じてしまっていることが驚きです。前作でも、かなり年齢の幅がある役を演じており、本当にすごい役者さんだなと改めて思いました。

良い大学に入るために、生真面目に頑張る高校生と、学校に通わず、悪事でお金を稼いで生活している不良少年という、本来交わることのないような2人が出会い、苦しみながらも前に進もうとする姿がとても感動的です。

この2人に襲い掛かる悲劇的な出来事は、背景を辿ると、様々な社会問題が若者たちへじわりじわりとしわ寄せがいってしまった結果だと思いました。こうした、社会問題を考えるきっかけとしても、とても意義のある作品だと思います。

個人的には監督の撮り方や、編集にもとてもこだわりを感じたので、そういった点でもオススメです!

《鑑賞者:たくみ》