いんげん

ウルフ・オブ・リベンジ 復讐の狼/アヴェンジメントのいんげんのレビュー・感想・評価

4.0
大好物のリベンジもの。
これはおもしろかった!めっちゃ好きだわこれ。

おや、思ったよりフィルマの評価は低めですね。まぁ俺のツボにハマったということで。

まず構成が珍しい。
大抵のリベンジものは、まず主役が虐げられる助走シーンがあって、その抑圧を解放する復讐シークエンスへと突入するのが一般的だと思うんだけど、こちらの作品はいきなり開幕3分で復讐対象のアジトに乗り込んでそこから何故復讐するまでに至ったのかという回想話を進めていく作り。

時系列を意図的に組み替えて、主人公の裏の目的とか裏切り要素とか、少しミステリー要素があってなかなか興味深い構成でした。
これ結構情報ごちゃごちゃする恐れあるけど、主人公の顔の傷とか服装とかで、時系列がしっかり区別できてたから全然混乱しなかったわ。丁寧でした。

あとリベンジもので個人的にかなり重要だと思ってる「復讐に至るまでの動機」も納得の逸品!
昼も夜も何年も何年も刑務所内で命狙われるとか頭おかしなるで。もはやベルセルクのガッツやん。黒い剣士ですわ。
アクションシーンも自然にいっぱい入れられるし、この復讐に至る動機はかなり良かったなぁ!

ラストも良かった。
相手は悪人とはいえ、こちらも理不尽な暴力で相手に復讐してるわけで、そんな人間は幸せになっちゃあいけないんですよ。でもせめて自分にできる世直しもしてから退場する。
このラストはホンマに好きだわ。

欲を言うなら、アクションシーンが少し淡白やったかな。
アクションシーンの尺はそこそこあったけど、内容が単調なドツき合いが多かった。まぁでも及第点か。

87分という短い作品なのでサクッと観られるし、いわゆるギタギタに復讐してスカッとするリベンジものとは少し違うけど、こういう一風変わったリベンジムービーも良いね。オススメだ!