ペドロ・アルモドバルの比較的初期の作品。
どの画面にも必ず登場する赤色、ポスターの様に計算された色使い。
ペンネームで極秘にロマンス小説を書いているレオの本はベストセラーを記録するが、彼女の私生活は全く思い通りにならないものだった。
オープニングは医師2人が脳死した息子の説明を母親にするシーンから始まり、それは物語には殆ど関係ないけど(笑)後の「オール・アバウト・マイ・マザー」に繋がる様にも思える。
少々厄介なレオの母親が言う、「鈴なしの迷い牛」(心の拠り所を無くした女) になってはいけない…は説得力あります。
レース編みをしながら故郷の村の女たちの唄う歌は長閑で美しく、都会の殺伐とした生活との対比が効果的だった。
世界的に有名なフラメンコダンサーのホアキン・コルテスが家政婦の息子役で出ていて演技と見事なダンスも披露します。
すれ違う愛、母の愛、女の友情、故郷、そしてロッシ・デ・パルマ(笑) 全てアルモドバルの世界でした。
レオが最後に呟く「人生って過酷で矛盾…そして意外にも公平」は精神安定剤の様に物語を静かにまとめている。
エンドロールも漆黒の画面に真っ赤な文字…ここまでやれば完璧。拍手❗️