松井の天井直撃ホームラン

ザ・プロムの松井の天井直撃ホームランのレビュー・感想・評価

ザ・プロム(2020年製作の映画)
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☆☆☆★★★

終盤で資金の目処が立った時、思わずバリーは叫ぶ

〝 ミッキー(ルーニー)&ジュディ(ガーランド)の時間だ! 〟


Netflixオリジナルのミュージカルは、(どうやら舞台版がある様ですが、一応宣伝文から)古き良き1930年代の《箱庭ミュージカル》を再現した愛すべき作品でした。
(曲名は適当に自分で歌詞から)

冒頭1曲目のナンバーと、3曲目のナンバーには。どことなく『雨に唄えば』の匂いを感じる事が出来る。
自分の作品(この場合は新作ミュージカル)が上演される前のインタビューであり。批評家から酷評された自分達を、どうすれば名声を取り返せるのか?と考え。ある巧妙を思いつき歌う3曲目にこそ、『雨に唄えば』で最高に輝いている♬Good morning♬を思い出さずにはいられない。

メリル・ストリープはブロードウェイの大物女優を嬉々として演じていて、その衣装や立ち振る舞いから、ブロードウェイの女王と讃えられたエセル・マーマンを意識していると思われます。

エセル・マーマン♬ショウほど素敵な商売はない♬
https://youtu.be/PIiQMsDQ0Uo

ペリー・コモ ショーにて『ジプシー』より1曲
https://youtu.be/i9SxlO7tQLc

彼女が、「エビータを演じるには歳を取りすぎだった」と言いながら歌う5曲目と。12曲目の♬彼女は良くなる♬は、メリルの本領発揮と言える場面で、大いに楽しませてくれます。

ニコール・キッドマンは、11曲目にハーゲンダッツをエマと食べながら。「20年間『シカゴ』のコーラスラインだった」…と、ポプ・フォッシー風の振り付けで歌い踊るナンバーで魅せてくれる。
キッドマンと一緒だったなら、あれだけ大きなハーゲンダッツだって2つは行けそうだ(´Д` )

『オール・ザット・ジャズ』
https://youtu.be/KA0sB3iJ-uY

https://youtu.be/9UN68ujZdTE


アンドリュー・ラネルズが歌い踊るのが、14曲目の♬隣人を愛せよ♬
ショッピングモールで展開されるこのナンバーが作品中では1番明るく楽しいナンバーとなっていました。
この歌の前にイーブル・クニーブルの格好で歌う場面も良かった。
このナンバーは最後に尻切れ気味に終わるので、出来れば最後まで見せて欲しかったくらい。

続く15曲目は、ジェームズ・コーデン演じるバリーが、過去の悲しい出来事を振り返りながら昔の自分と歌い踊るナンバー。ちょっとホロっとさせてくれます。

名もない田舎の高校生で訳ありのヒロインのエマにはジョー・エレン・ペルマン。
彼女には3曲ほと聴かせどころのナンバーが用意されているのですが。その中で1番と言えるのが、16曲目の♬静かなる心♬(確か)と言う深く心に染み込むナンバーでしっとりと聴かせます。

そしていよいよクライマックスへ!

この最後のナンバーこそは、ミッキー&ジュディの《アンディ・ハーディ》シリーズや、ジューン・アリスン主演の『GOOD NEWS』を彷彿とさせる〝 これぞ箱庭ミュージカル 〟といえる超ハッピーなナンバーで映画は締められます。

『GOOD NEWS』 フィナーレ
https://youtu.be/wiENqi2jfgg


いや〜楽しかったです。
やっぱりミュージカル映画は、スペクタクルな大作ミュージカルよりも。明るく楽しく、全く持って徳にもならない〝 他愛もなさ〟こそが1番と言えるでしょうね〜(当社比💦)

あ?そうそう!メリル・ストリープの叫ぶ…

「◯◯を返せ!」の一言に爆笑しました(≧∀≦)

2020年12月5日 キネマ旬報シアター/スクリーン2