なっちゃん

ザ・プロムのなっちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

ザ・プロム(2020年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

よかったー、好きです
2021年1本目

Netflixプレゼンツのミュージカル映画
田舎町のハイスクールが舞台で、性的マイノリティーの女の子が彼女とプロムに行きたいって言ったらそんなことけしからん!な保守派のPTAと揉め、それをブロードウェイセレブが話題作りとイメージ向上のために支援するよっていう物語。
この構造からセレブのアクティビズムに対して欺瞞的側面も指摘していて、自分らの業界へのセルフチェック兼ねてすごいなと思いました

序盤のエマとアリッサ歌唱シーンで、「この子たちはただプロムで恋人と踊りたいっていう"普通の"アメリカ高校生の望みを叶えたいだけなのよな…」と思って泣いた
日本で育った自分にはプロム馴染みないけど、アメリカ高校生はみんなプロムのために好きな子に告白とかしてさ…楽しい青春やん…そんなんみんな楽しんでやりたいやん…それをさ…大人がよってたかって自分が理解できないからっていじめて叩き潰していいわけないやん…(涙…)

校長先生が頼もしい大人っていうの、けっこう珍しいよね Sex education でも校長は理解のない白人やったりした
ブロードウェイ4人組が広告のために来たってわかったとき1番怒ってたのも信頼できる
大人として子どもを支援するときどう振る舞うべきか、というのを真摯に実践してるときに横からあんな真似されたら怒るよな
一方エマは意外と「ふーん」て感じだったのも面白かった
彼女にしてみたら恋人とプロムに行ければそれでいいから助けてくれるならなんでも!って感じなのかもしれん

対立するアリッサのお母さんは、最初なんでわかってくれへんの?!と思ったけど母子家庭で舐められないように一生懸命PTAのリーダーも務めて娘もいじめられたりしないようにしっかり育てて…って思ってやってきたんやろうなって思ったら極悪人にも思えなくて
まあでも子どもの言ってることが理解できないからってその子1人だけプロム別会場にするって人の気持ちわからなさすぎで怖かったな。やっぱだめやわ。

そんなサイコパスお母さんを持つアリッサがカムアウトできないのはエマ的にはとても寂しかったと思うけどアリッサの気持ちもわかる…あれは怖いよ
本当に思いやりあるから「ママは、私が完璧になればパパが戻ってくると思ってるの」と思っていて、アリッサはママを守ろうとしているのよな…子どもの健気さでまた号泣
終盤であのめちゃくちゃ怖い母親と対峙してカムアウトするアリッサの勇気にも号泣
とにかくお母さんしっかりしろ。子どもがこんなに頑張っているのに
までもあの人最後にプロムでアリッサが1番大事って言ったのはまじでセーフだった…お前も大人やん。よくやった


あと物語の中身ではなくキャストの話ですがメリル・ストリープ様は本当に大女優だなって出てる映画見るたびに思う
なんか、出演シーン見た瞬間に「あ、メリル・ストリープでてるんやな」って現実世界のメリル・ストリープの存在まではっきり認識するけど、映画を見ているときは完全に映画の中のキャラクターと融合したメリル・ストリープを認識してる感じ
今回も笑い方もいつものメリル・ストリープなのよ!でも映画の中ではディーディー・アレンなのよ
ちょっと何言ってるかわからないですが
とにかく好き

ミュージカル、なんで突然歌い出すかわからないって人がけっこういるけどそこに対しても校長先生が現実がつらすぎるときに荒唐無稽を浴びるためだみたいなこと言ってて(ニュアンス)そうだな…と思いました

好きでした
なっちゃん

なっちゃん