たろ

オペラ座の怪人のたろのネタバレレビュー・内容・結末

オペラ座の怪人(2004年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

一番好きな映画は何かと聞かれたらこの映画以外答えられないほど、オペラ座の怪人が好きだ。
以降ミュージカル映画が好きになったのもこの映画に出会ったからかもしれない。初めて見たのは中学か高校生の頃だったか定かではないが、怪しげな雰囲気、豪華絢爛な衣装、舞台、一度聞いたら忘れられない素晴らしい音楽の数々に魅了された覚えがある。
当時は特にオペラ座の怪人のテーマが流れるシーンと、マスカレードのシーンを中毒者なみに繰り返し見ていたと思う。
かれこれ何十回も繰り返し見ているが、この度静岡県で公演された劇団四季のオペラ座の怪人を見に行ってきた。そちらの感想はもちろん素晴らしかったとしか言いようがないが今ここではいいとして、やはり原点にして頂点と言うべきか、私の中でオペラ座の怪人という作品は他に類を見ないほど長いこと私の心を魅了したままだ。
人に愛されることはおろか、優しさや同情などの一切を受けなかった怪人が、それでも美しいものに憧れ、一人の女性を愛そうとするその姿に心を締め付けられる。
もちろん歪んでしまった心であるからクリスティーヌを愛するその方法も歪んでいる。けれど誰が彼にそれが悪であると教えただろう。怪人は知らぬ愛で必死にクリスティーヌを手に入れようとしていただけだ。そんな怪人が最後、生まれて初めて人の愛を受けて、初めて人に情けをかけたシーンはこの年になって改めて見て、非常に心を動かされるところだった。
クリスティーヌはラウルを愛しながら心の底の奥深いところで怪人と繋がっている、その葛藤が映画版ではよくよく表されていると思った。
これからも私はこの映画を繰り返し見ていくのだろう。
たろ

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