こめっと

オペラ座の怪人のこめっとのネタバレレビュー・内容・結末

オペラ座の怪人(2004年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

久々に観賞。
何故買わなかったか思い出した。
クリスティーヌがあまりに残酷でストーリーが嫌いだったんだ。

確かにいいオッサンが若い女に惚れてキモいだとかラウルが幼馴染みだった事を考えれば横恋慕してきたのはファントムの方だろとか言われても仕方無いんだけど、私は人を殺す程の愛を向けられてそれに応えないクリスティーヌがちょっと理解できないとこがある。
「無償の愛じゃなかったんなら要りません」って後から突き放すの酷くない?

父を亡くして孤独を感じていたクリスティーヌにファントムが惹かれるって設定は自然だしクリスティーヌもその愛に助けられて生きてきたわけでしょ。ましてや成功は完全に彼の教育のたまものだし。父として友として愛を注いでた娘が成長したとき、実の娘でもないんだから恋したっていいじゃない、と思う。
それから私が一番苦手で駄目なとこは最後、「勇気をもって示す」と言いながらファントムに口付けるところ。勇気を出さなきゃお前には親愛のキスすら出来ないってハッキリと言ってしまってますやん。無償の愛が美しいって物語ではないみたい。リアルでどろっとしてるとこがある。
ファントムが見ている前でラウルと堂々包容しあって、おまけに一度は戻ってきて希望を与えておきながらなにも言わずわざわざ指輪を返す残酷さよ…。もうわざわざ返しに来ないでそっと捨ててやれよ…。
極め付きは「お前は誰にも愛されないけど私達はラブラブ!将来にかけてもずっとね。」と高らかに歌いながら去っていく止めの凄さ。

映画版のファントムが格好よすぎるからここまでファントムに入れ込むのかもしれないけど、クリスティーヌがあまりに残酷に見えるのでクリスティーヌが好きになれない。

でも音楽は本当に最高だし映像も衣装も観ているだけで楽しめる。
中でもシャンデリアが上がるあの有名なシーンは鳥肌が止まらない。
本物の舞台も観てみたいと思わせる作品。
こめっと

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