回想シーンでご飯3杯いける

オペラ座の怪人の回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

オペラ座の怪人(2004年製作の映画)
3.8
久々にミュージカル映画らしいミュージカル映画を観た。いくつか映画化されている「オペラ座の怪人」の中で、この2004年版は、ミュージカル版の舞台劇を元に作られた唯一の映画化作品なのだそう。

自宅5.1chシステムにて、いつもより大きめの音量で鑑賞。物語は基本的に歌によって語られるスタイル。最近は楽しげな歌唱シーンだけ振りを付けたライトなミュージカル映画が多い中、本作はがっつり音楽でメッセージを投げかけてくるのが頼もしい。

「音楽だとメッセージが伝わりにくい」とは正反対の「音楽だからこそ伝わるメッセージがある」という発想。物語の舞台がそもそもオペラ座なのだし、劇場の繁栄と衰退が作り出すコントラストや、オペラ座の地下に住む怪人ファントムのヒロインに対する狂気的な愛情には、ありきたりな台詞よりもドラマティックな音楽こそが良く似合う。

荒廃したオペラ座のモノクロ映像から、カラーの回想シーンに展開する冒頭を筆頭に、映像的な見所もたっぷりで、理屈よりも心と感情で向き合う映画という感じだ。

唯一、有名な主題曲のアレンジが、冒頭こそかっこいいものの、ビートが入ってから以降はチープなディスコ・サウンドみたいになっていて残念。デカい音で観ていたから、余計に気になってしまった。公開時期の流行??いや、2004年でこれは無いと思うんだけど、、、、。