fumika

ブラック・レインのfumikaのレビュー・感想・評価

ブラック・レイン(1989年製作の映画)
4.0
レストランで偶然にヤクザの殺人に出くわしたニックとチャーリー
彼らはその犯人佐藤を日本に護送するが、大阪空港で逃げられてしまう
府警の松本の監視下、警官としての権限の無いまま捜査を見守る彼らだったが、佐藤はそれを嘲笑うかの如く自ら刺客となって二人の前に現れるのだった
松田優作さんの遺作ということです


リドリースコットの描くサイバーパンクな世界は魅力に溢れている
ブレードランナーから7年後の作品ということですが、日本=ゲイシャのイメージだったり時代的なものもありますが警官の制服やその他細々したものの昭和感の中に、仄暗さやネオンといった彼お得意の近未来性も盛り込まれています
私自身こういうのに弱くて序盤からもう好き!ってなっちゃいました


箇所箇所でだましうちもあり、観てる側が拍子抜けすること多数、これも良い


加えて(若干巻き込まれてるのが否めませんが)マサの寡黙で堅実な昔ながらの漢といった人柄を見ていると、忠義と己の心との向き合い方を学ばせられる
高倉の兄貴渋くて素敵……

また、日本警察引いては日本の組織という枠組の負の側面を風刺的に描いていてなかなか鋭さもあります


リドリーは日本というよりアジアというエリアで私たちを観ている様に思うのですがどうだろう
例えば「どれも同じ顔に見えるな」の東洋人ジョークや屋台の風景など


私の好みなのもありますが、素晴らしい作品です!おすすめ!
fumika

fumika