ずどこんちょ

ブラック・レインのずどこんちょのレビュー・感想・評価

ブラック・レイン(1989年製作の映画)
3.6
ハリウッド映画が描く日本や日本人像はどこかおかしい。変な言葉の書かれているネオンサインだったり、どう考えてもカタコトの偽日本人だったり。
というわけで、大阪で大規模なロケを敢行し、松田優作や高倉健、若山富三郎など日本の名優たちをキャスティングした本格派の日米共演映画。しかも手掛けたのは『エイリアン』や『ブレードランナー』のリドリー・スコット監督です。
1961年『ティファニーで朝食を』の馬鹿にされた日本人像から28年。ハリウッド映画で日本を代表する俳優をカッコよく映してくれる時代が訪れました。ハリウッドの方から日本に来てくれたので違和感のない日本を楽しめます。
(一部、ハリウッドで撮影したのかヘンテコ日本のセットもありましたが…)

仁義なき現代ヤクザ・佐藤を演じる松田優作。本作が遺作にして、撮影当時彼は自分の大病を知っていたわけです。どこか狂気的な目は演技の枠を超えた、俳優人生の集大成としての覚悟すら感じます。

ニックやチャーリーの監視役として彼らと国境を超えた信頼関係を築いていく松本役が高倉健。英語を流暢に話し、生真面目で不器用ながらもチャーリーに誘われてクラブで熱唱する健さんはめちゃくちゃカッコ良くもあり、チャーミングでもありました。

えーー!!この映画も音楽ハンス・ジマーでしたか!!面白いと思ったハリウッド映画で大抵名前が出てくる名作曲家。こんな時代から人気作で活躍してたんですね。