三郎丸

ブラック・レインの三郎丸のレビュー・感想・評価

ブラック・レイン(1989年製作の映画)
5.0
300レビュー記念に何度も観賞したこの作品をチョイス!

この作品に出演していた故安岡力也氏とのエピソードを…
私が20代の頃、某空港でデスクワーク中、眉間にシワを寄せた超大柄な男性がフラッと来ました。私は一見して
【あー、ヤ○ザに絡まれるよ】
と身構えた(当時その手の方々とチョイチョイ小競り合いは…)のですが、安岡力也氏でした。私に開口一番
「参った!カミさんに怒られちゃった」
と、言いながら苦笑い。
遠くにいらっしゃる奥様を気にしながら事務手続きをしたのですが、どうしても本作品での松田優作氏の素晴らしい演技をコメントしたくて軽く話したところ、
「良いよな!!」
と自分が褒められたような嬉しそうな表情になったのを思い出します。
(凄い大きな声だったので周りの人驚いてましたが…)
安岡氏にとっても、ブラックレインは特別な作品だったようで、現場入りする時は相当気合い入ってたから怪我してもしばらく気がつかなかった等々のありがたいお話をお聞きした後、私と映画談義の時間かけすぎて恐らくまた奥様に叱られてました…
このコメント欄をお借りして謝罪します。

リドリースコット監督の「ブレードランナー」に通じる、スタイリッシュな大阪の街並の映像...日本の文字が溢れ、排水溝にドライアイスを焚き、大阪城が映っても、なぜか外国のような…その雰囲気が好きです。

松田優作
この作品の伝説となった優作氏の評価は今も語り草ですよね。
撮影中具合悪かったと思うんですよ…
小便すれば血尿だったみたいですし、自分の身体のことは自分が一番分かっていたはずです。
その状態での圧倒的存在感...
・登場からオレは悪役ですよの雰囲気。
・アンディ・ガルシアを殺す場面やヤクザの親分集を前にした時などのキレた演技は優作氏にしか出来ない。
本作品に思い入れない方が観賞したら悪役然とした優作氏のとんがったところばかりに目がいくと思いますが、改めて見直すと、
【クライマックスの高倉健から走って逃げるシーンの表情】等々
…堪らないですよ、自然と涙が出ます。
高倉健氏のことも書き込みたいのですが松田優作氏の遺作なのでどうしても偏りのある見方になりますね…
故人の方々に合掌
三郎丸

三郎丸