【美麗な3DCGで蘇った王道ルパン】
山崎貴監督ということで、良くも悪くも注目を集める本作。
結論から書きましょう。
余計なことは一切していない、ツボを押さえた王道ルパンです。
ご安心ください。
・若干説明台詞が目立つ
・時折表情が声に負けている
この2点は少々気になりますが、ご愛嬌ってレベルです。
先に声の芝居と口元の映像を押さえ、2年半かけて映像を作っていった本作は、日本の3DCGアニメ史において重要な役割を担うことでしょう。
リアルとアニメ的虚構性のバランスが良く、ドラマもきっちり盛り上がります。
実写俳優陣やレギュラー声優陣に絵がない状態でノビノビと演技させたことも、台詞がしっかり会話となる助けになっているんですね。
(惜しむらくは、後からつけた表情がまだ改善の余地があること)
記号論的演技が主流のアニメとリアルな息遣いを大事にする実写のハイブリッドの誕生であり、これをきっかけに日本流3DCGアニメの演技が大きく進化するのを期待したいですね。
というわけで、ルパンならではの醍醐味を感じさせてくれる本作を楽しみにお待ち下さい。
※驚いたのは、エンドロールの短さ。たったこれだけの人数で仕上げたのかと、心底驚きました。次回はもう少し予算をあげてほしいですね。