自宅で。
2019年の邦画。
監督は「アルキメデスの大戦」の山崎貴。
あらすじ
第二次大戦時から十数年後のフランス、考古学の権威であるブレッソン教授の回顧展において、お披露目された「ブレッソン・ダイアリー」を盗むことに成功した考古学者を目指すレティシアは同じくブレッソン・ダイアリーを狙ったルパンと行動を共にする中で手にした者は強大な力を手にすることができるお宝「エクリプス」の存在を知ることになる。
TSUTAYAレンタルにて、5本目が決まらなかったので5本で1000円にするためにまだ観てなかった今作をチョイス。
ルパン三世というと定期的に日テレでスペシャルがやってるイメージなんだけど、今作含めると劇場版は10作目になるんだな。
そんな今作、兼ねてから原作者、故モンキー・パンチ氏が熱望していた初のフルCGアニメーション作品。そんな作品に白羽の矢が立ったのはご存知ヒットメーカー山崎貴。
ということでキャラクターのルックスはドラクエだったりスタンドバイミードラえもんのそれです。ピクサーとはまた異なるリアルとデフォルメの中間的なキャラクターで話が展開します。個人的にはこのキャラクターデザイン、割とどんな漫画作品のフルCGでもいけちゃうんじゃないかなというくらい違和感があんまり感じない(まぁ、もちろん海外と比べると全然レベルが違いますけど)。
で、お話はというと山崎監督が宮崎駿が手掛けたルパン劇場版の決定版というべき名作「カリオストロの城」の呪縛から逃れられなかったというだけあり、かなりカリオストロ色が強い笑。
まぁ、お話的には全然異なる内容なんだけど、昔ながらの冒険活劇というかルパンが仲間たちと数々の試練を掻い潜りながら、ロマンあり、ロマンスあり、スペクタクルありな全部盛りな内容。
そこに広瀬すず(「一度死んでみた」)演じるゲストキャラクター、レティシアが加わり、作品に花を添える。
このレティシアの吹き替えを担当した広瀬すずがやっぱめちゃくちゃ良くて、改めて彼女はルックスと同じくらいその弾んだ声も魅力を秘めたステキな女優さんだなと再確認。
ただ、このレティシア自体はステキなキャラクターだったんだけど、ルパンと行動を共にする中でほのかな恋心を抱いたりとやっぱその立ち位置と良い、どうしてもカリオストロのクラリスがチラつく笑。
また他にも相変わらずのイイ声〜な吉田鋼太郎(「今日から俺は!!劇場版」)や悪役声も似合う藤原竜也(「カイジ ファイナル・ゲーム」)などカイジファイナルゲームコンビが脇を固める隙のない布陣。
かといって、ルパン以外のお馴染みの面々もお座なりになることなく、次元は狙撃を、五右衛門は剣劇を、藤子はお色気を、銭形はお決まりの「ルパ〜ン!」のコールを詰め込んでおり、それなりに満足感はある仕上がり。
個人的には特に中盤の「エクリプス」を巡る試練のシーンでルパンがレーザーの攻撃を掻い潜る際にお馴染みのテーマソングがここぞのタイミングでかかったシーンはとにかくアガりましたよ。
ただ、終盤でドラクエでもあったような世界そのものを揺るがしかねない展開になったり、それまでレティシアに辛く当たっていた育ての親ランベールが急に最後の最後にレティシアを身を挺して守ったりと「ん?」となるシーンもそれなりにあった。
あと、どうせカリオストロ意識するならおんなじようにルパンにほのかな想いを抱くレティシアに銭形が気の利いたセリフの一つでもあげても良かったんじゃないかなー。
絶対なんらかのフゥー!!ってなるシーンがあると思ったのに。
やっぱり「奴はとんでもないものを盗んでいきました、あなたの心です」という神がかってるにも程がある偉大過ぎる名台詞には敵わないと思っちゃったのか。
なんか、そこに山崎貴のひよった感を少し感じてしまった笑。いや、そこは惨敗するにしても挑戦して欲しいな!!
まぁ中盤の「血は嘘をつかないんだぜ」のルパンのセリフはレティシアとルパン自身の境遇に通じる今作ならではの良いシーンとなってたけども。
まぁ、何にせよ初のルパンフルCG作品としては個人的にはかなり楽しめました。