オレオレ

クライシスのオレオレのレビュー・感想・評価

クライシス(2021年製作の映画)
2.5
麻薬系鎮痛剤オピオイドの開発側、それを利用する一般市民側、そして取り締まりを行うDEA(麻薬取締局)の視点で描かれるが、思ったほどの緊張感がない。

そもそもは医者からの処方があれば手に入る鎮痛剤、それが、処方通りに服用していても依存症に陥る可能性があり、実際、先進国ではアメリカでの被害がダントツに多い。
DEAの潜入捜査官ジェイクの妹も依存症で施設に入院しているが、学生の頃、スポーツのちょっとした怪我の治療でオピオイド系鎮痛剤を処方され、そのまま依存症になってしまったというケースも多いらしい。
映画のジェイクの潜入捜査ストーリーは、仏語が混じるし、「Mother」と呼ばれる元締め(?)が絵にかいたような元締めのパターンでイマイチ盛り上がらず。

G.オールドマン演じる大学教授は製薬会社からの依頼で新しいオピオイド薬を研究しているが、ない、と言われていたはずの依存性が研究課程で見つかる。そしてそれを正直にレポートしても無視され、FDAに告発しても調査委員会(?)で却下され、という「声を上げても無駄」というこちらも定番のパターン。「タバコ以来の危機だ!」みたいなことを言うが、ニコチン健康被害を扱った映画「Insider」みたいには盛り上がらない・・・。

タイトル通り、オピオイド被害は「クライシス」であることは確かに描かれているんだが、印象的なシーンもセリフもなく、なんだか中途半端な感じが拭えない映画だった。途中で寝落ちしたのも、さもありなん・・・。