トンボのメガネ

劇場のトンボのメガネのネタバレレビュー・内容・結末

劇場(2020年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

松岡茉優と山崎賢人のリアルなダメカップルぶりに思わず最後までじっくり鑑賞してしまった。
付き合っちゃいけない二人の典型過ぎて、早く別れて欲しいと願う友達の気分で見守ってしまったのかもしれない。

集団生活を送っていると1人くらいは見かける自己中で気の毒なタイプの男と、それを増長させてしまう自我薄女子。
男が思い描いてそうな都合のいい誤解だらけの女子設定…このカップルの場合、たぶん女子のメンタルの方が闇が深い。

いつまで持つだろう?とか言いつつも、この男は図々しいから寄生先を変えながら生きていくような気がする。
でなけりゃあんな屑になれんやろ。

ひたすら我儘放題にさせてくれる母親を探しているだけの男。爽やかイケメンの山崎賢人だから我慢して見れるレベルで、マジでゴミ屑だった。

あの手の男が立ち直るには、青山みたいなタイプの女と付き合ってビシビシ鍛えてもらうしかない。
甘やかす母親から厳しく教育してくれる母親に変わっただけのことだけど、少しはマシになれるはず。

松岡茉優の演じた女は正直怖い。
自分に自信がないから我儘な男にある意味依存している。
じゃなきゃあんな屑と長く付き合えない。
自分を大事に出来ない典型的なタイプ。
たぶん、原因は親との関係にあるはずだから、実家に戻っても健康的になれるとはあまり思えない。

一番の解決策は、もっと堅実で心根のいい別の男と付き合うこと。顔知らんけど、店長とかが良かったんじゃないかな。
依存先を変えたら元カレなんてゴミに見えて毛嫌いしてそうだけどな。

たぶん、リアルはそうだったんじゃないかと予想する。店長の家に迎えに行くまでの描写はかなりリアルだったから。

ああ、これでこいつ捨てられるなと思ったのに、いやいや自転車一緒に乗るんか〜い!

男も急に物わかりのいい奴になってまるで別人。人ってそんな簡単に変わらんし…
違和感ありつつも、本当はもっと大切にしたかったと言う願望を吐露するまではまだ良かった。

場面が劇場に切り替わると、糞内容の舞台なのに、そこそこ人が入っててビックリ。
そして彼女が客席にいて号泣している。
そんなバカな…

泣いてる彼女を寒すぎる猿のお面で笑かそうと必死な屑。
いやいや、猿のお面とかホントは付き合ってる時から全然笑えなかったし、機嫌取るために無理して笑ってただけやから、気付いてないのお前だけ。

ラストは妄想が酷過ぎて流石に萎える。
二人の俳優の熱演もあり、集中して見れていたが、一気に覚めてしまった。

ラストに何度もごめんと言うセリフを松岡に言わせている脚本を見て、この屑はきっともっとエゲツなく屑行為を彼女にしていたに違いないと確信。

どうせなら最後までリアルを見せて欲しかった。途中から気持ちの悪い願望を入れやがって…リアルなら絶対舞台には来とらんし、万が一舞台を観に来たとしても、隣には別の男がいて、芝居の内容的に観に来るんじゃなかったと顔を引きつらせて俯いているはずだ。
ごめんを言うのは彼女じゃなくて貴様だろ。

恐らく原作から屑の話なんだと思うが、監督の力量でここまで見れるものに変わったのか?
俳優二人の熱演は見る価値ありなのでスコアは3。